雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

川上未映子オススメの『てのひら怪談2』

 ポプラ社のPR誌asta*2008年1月号を貰ってきました。PR誌って無料で貰えて面白いのでついつい貰ってしまうのですよね。新作を上梓した作家のインタビューや、連載小説を掲載しているPR誌もありますし、無料だからってばかにならない完成度なのです。むしろ、書店に足を伸ばさないとゲットできないがゆえに、何処ででもかんたんに手に入る雑誌よりもレア度は高いぐらいかもしれません。
 で、そんなPR誌の中でも、一段とお洒落でお気に入りの『asta*』を貰ってきたのですが、最新の芥川賞候補作家・川上未映子が『てのひら怪談2』の書評を書いていました。

 どれどれと読んでみたら、書評なのにも関わらず相変わらずの川上未映子節です。以下、少し引用させていただきます。

 たとえば江崎来人さんの「お花さん」。少年が、切り落とされた鶏の脚を老女の胸に押し付けさせられたりするところとか充分気色悪いのですが、その鶏の「腹から掬ったゼリー状のかたまりにはビー玉大で不ぞろいの粒がたくさんついて」いて、「滋養になると煮て独りだけで食」ったりする老女が、お花さん、という名前なのがなんだか恐ろしかったりもする。なんでお花。それから貫井輝さんの「問題教師」という作品。これは女子高生のいわゆるギャル語で、中学生時代の教師に樹海に連れられていったときのことを友人に聞かせているという体で、一応女子高生側にはオチもあるのだけれども、それよりも何度読んでもここに出てくる教師のどこに問題があったのかがわからず、うなってしまう。どこが問題。むしろ面倒見がいいくらい。そして、駒沢直さんの「風呂」。風呂に浸かってたら排水口からミッキーが出てきた、体を洗ったりしたら湯でミッキーが流れてしまうから風呂から出れない、どんどん熱いぜ、というそれだけの話。(後略)
(太字引用者)

 特に「風呂」はお気に入りのようで、この後も延々と未映子語で語られるのですが、長すぎるので割愛します。気になる方は、どうぞお近くの書店へ。
 そう言えば、川上未映子は先月の『文學界』に短編が掲載されましたね。これは芥川賞フラグでしょうか? あ、でも次こそ柴崎友香だろうからなあ……。

追記

 東雅夫のブログにて書評が掲載されているページの写真がアップされていました。