雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

『PLAYBOX vol.1』感想

 この間、思い出横丁の小汚い飲み屋で、id:ritz-hiroと延々とビールを飲み交わしたんですけれど、その際、初音ミクの話からid:inheroの話になり、feat.の話になり、フィーチャリングって言いたかっただけじゃあるまいかという話になり、何だかよく分からないままに解散になったことがありました。後日、文学フリマ『PLAYBOX vol.1』を見かけたとき「白蜜樹の泣き声」の後に「言村律広 feat. Joe Kuga」とあり、これは買ってあげないとならないなと思いましたとさ。
 以下、個別に。コラムと評論は特に語る言葉を持たないので、除いています。
陸条「Something in view」小説を書いている少年を語り手として、あまり色鮮やかではない日常を描いたもの。端的に言って、自己言及的でありすぎるように思えました。この手のテーマは、もう少し口を噤んでも問題なく伝わってくるような。むしろ、少しくらい口を慎んだ方が、返ってリアリティが増すかもしれません。後は距離感も薄いように感じられました。もう少し近くても、遠くてもいいので、友人にせよ、彼女にせよ、その重みが主人公のなかでどれだけあるかを描いてもいいのかなあ、とかなんとか。
真野光太郎「Loss of Colors─色覚異常─」投げたボールが友人の目を直撃してしまった。最悪、失明するかもしれない。主人公は思い悩み始める……という話。友人の色覚が異常になる話かと思いきや、主人公の色覚が異常になる話。なんという自分小説と思ったが、この本にはマッチしているのかも。後、この予想の斜めうえをゆく展開は、地味に面白かったです。
石田友「雲と蝿」くもとはえの話。これは比較的、好みでした。もう少し、突き抜けてもいいんじゃないかと読んでいる間は思いましたし、読み進めるたびに、どんどん内容を忘れていってしまうわけですが、まあ、それはそれでよかろうとも。もう少し骨があれば劇的に面白くなりそうな反面、魅力が半減しそうな気も。難しいものですね。
言村律広 feat. Joe Kuga「白蜜樹の泣き声」白蜜樹の話。読み始めて、んあーと感じたのは、長いということ。きっと、言村律広の手による原案は、もっと短くて、もっと斬れ味が意味不明なぐらいに鋭かったのだろうなと思いながら読み進めました。まあ、でも、面白い試みですよね。
 概ね、そんな感じでした。