雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

君は赤い部屋から脱出してもいいし、脱出しなくてもいい

 SCRAPが経営するアジトオブスクラップ浅草などで遊べる常設型リアル脱出ゲーム「Escape from The RED ROOM」の感想です。謎に対するネタバレはしないよう注意していますが、気になる方は回れ右推奨です。

あなたは突然ある部屋に閉じ込められる。
そこにはパズルや暗号はない。
ここにあるのは、謎めいた道具、統一された色で作られた壁、そして開かない扉。
もしあなたが言葉を一切話せないとしても、この謎は解き明かすことができる。
あなたは自らの手でこの部屋の扉を開け、ここから脱出しなくてはならない。
「本当にリアルな脱出ゲーム」がここにある。

http://realdgame.jp/ajito/asakusa/event/red_asakusa.html

 2015年に始まった公演で、特定の言語に依存した謎を一切排除しているのが特徴です。タイトルを「赤い部屋からの脱出」ではなく「Escape from The RED ROOM」と英語にしている点からも、そのコンセプトが見て取れます。尚「Real Escape Game color series vol.1」というサブタイトルがついていますが、今日現在「vol.2」は未発表です。
 本公演に挑戦したのは、2016年11月のこと。対SCRAPという観点では「僕と勇者の最後の7日間」に続き2戦目、ルーム型という観点では初挑戦でした。

結果

 壁が真っ赤に塗られたRed roomは広すぎず、狭すぎず快適な空間ではありましたが、長居すると目が疲れてくるので脱出することを選択しました*1

脱出率(2016年11月当時)

 挑戦総数:3331組
 脱出成功:129組(3.8%)
 脱出成功(+10分):567組(17%)

閉じ込められる前

 室内は暖かいのでコートを脱ぐことを推奨され、靴も履き替えるよう指示を受けたので、鞄や諸々をロッカーに放り込んだのですが、待ち合わせスペースが半分くらい外だったので、隙間風に震えることになりました。
 季節は秋が深まる頃。ひざ掛けを使わせてもらいながら、他の挑戦者が来るのを待ちました。しかし、ふしぎと体温は高かったように覚えています。ホール型のような閉じ込められ疑似体験と異なり、ルーム型はほんとうに閉じ込められることになります。その期待や興奮、初対面の方と連携しなければならない緊張があったと記憶しています

閉じ込められてから

「それでは、ゲームスタートです!」
「ありました! Lです!」
「こっちはIって書いてあります」
「そこ何か書いてありますかー?」
「O……かな?」
「ここにNってあります! 答えはLION*2ですね!!」


 中々、順調な滑り出しでした。
 脱出初挑戦の方が2人いらっしゃってましたが、慣れている方も2人いらっしゃったので、その方々にリードして貰いながら、どんどん進めそうな感じでした。
 しかし、その希望はすぐに打ち砕かれることになったのです。


「え……?」
「どゆこと?」
「私たち……なんだか、閉じ込められていませんか?」
「閉じ込められてるよ!!」


 そう、圧倒的密室感でした。
 やばかったですね。
 とてつもない謎に対して手も足も出ない感じ。
 さすが脱出率3%です。
 このまま、無為に30分を呆然と過ごすしかないのでしょうか。
 いえ! そんなわけはありません!
 飛んだり跳ねたり叫んだり、心の底では無意味と知りつつ、とにかくありとあらゆるアクションを打ちます。


 しかし、狭い空間を6人でズンドコ動き回っていても限界があります。
 5分くらい暴れまわったでしょうか。若干の無理感が漂い始めた中、ふと思いついたことがあって試してみました。すると……、


「ん?」
「えええええーーーーー!!」


 衝撃のあまり叫ぼうとしたら、先に隣にいたひとに叫ばれてしまいました。ですが、それを契機に、すぐに驚きや感動、その他すべての感情が凄まじい速度で伝播して、おそらくあの瞬間、あの真っ赤な部屋にいた6人の挑戦者の全員が、口を大きく開けて叫んでいたのではないかと思います
 その後、なんやかんやありまして、結局、規定の30分以内には脱出できず、
「お一人様、800円ずつで10分間、延長いただけます。いかがされますか?」
 というスタッフさんの邪悪な誘いに対して6人全員で「延長します!」と回答して、3分後には脱出していました。

部屋から出て

 貢献できた場面もあり、経験者の方にリードいただいた場面もあり、初挑戦の方に手を動かしていただいた場面もあり、6人が6人、それぞれに要所要所で力を合わせることで、脱出に至ることができたと思います。
 もう何ヶ月も前のことですが、一致団結感があって、とてつもない成功体験として今でも覚えています。この日、この脱出に成功していなければ、今ほど脱出にはハマっていなかったかもしれませんし、失敗していたとしてもハマっていたかもしれません。でも、以前に、オススメの脱出に関する記事を書いた際に、まっさきに取り上げたのは本公演ですし、脱出感想を書き始めようかなと思ったときに、最初に書かなければと思ったのも本公演です。
 あるいはこの公演こそが、人生を変えた経験、だったのかもしれません、秋山にとって

秋山チャート

要素 5段階評価
オススメ ★★★★★
探索 ★★★★★
物量 ★★
トーリー
衝撃度 ★★★★★

*1:平たく言うと脱出成功

*2:嘘の答えです。そもそも特定言語は使われていませんしね。