雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

特殊能力てんこもりボーナンザ『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』の感想


f:id:sinden:20180330101017j:plain
 様々な特殊能力を付与させたり、貯めれば5ターラーと換金できたりと、豪快な要素のある『ボーナンザ』の独立型の拡張『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』の感想です。邦題は『ワイルドだぜぇ』だそうです。スギちゃんが流行っていた頃に発売されたのかもしれませんね


 タイトルから察せられる通り、全体的にワイルドです
 貯めれば5ターラーに換金できる豆がある一方、2ターラーや4ターラーの換金レートが存在しないピーキーな豆があったりして、谷を越えるために不利な交渉に身を投じることもあります。


 特筆すべきは、その豊富な特殊能力でしょう。
 カードを補充するときに、手札の後ろではなく前に入れることができたり、そのターンに植えるべきカード枚数を隣のプレイヤに指示されたり。良い能力もあれば、悪い能力もあり、それらは各カードに書かれています。
 交渉でカードを交換した後に、マイナス効果を持つ能力アイコンがカードに書かれているのを見ると、しょんぼりすることもあります。


 その一方で、元の『ボーナンザ』にあった厳格さを緩和している部分もあります。
 たとえば山札から公開したカードは、すべて処理する必要はなく、捨ててしまっても良かったり、交渉材料として、後に自分が公開したカードを優先的に持っていってよいカードが与えられたり。息苦しさが減っています


『ボーナンザ』は強いひとは強い、みたいなところがあるため、慣れによってプレイヤ間の有利不利や、面白さを感じとることができるかどうかみたいな難しいところがありますが、特殊能力をはじめあらゆる要素をてんこもりにして、インスト障壁は上げつつも、ゲームとしての難易度は下げることに成功しているように感じました。
 言ってみれば、足し算のデザインでしょうか。
 振り返って考えてみれば、『ボーナンザ』のルールには無駄がありません。エレガント、と言うべきか。ゲームをゲームたらしめている要素だけで、必要最低限の要素だけで構成されています。そこには無駄がないので、それが故にプレイヤ側にも洗練されていることが求められ、このデザインを理解して、本質的な交渉ができないと負けてしまいます。
 一方『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』は、ルールをごちゃごちゃと付け加えることで、取っ掛かりを増やし、ランダム性を上げ、勝利へのルートを複数化させることで、熟練者と初プレイの方の境目をあいまいにさせていると感じました


 と言うわけで『ボーナンザ』の交渉は難しくて苦手。という方にこそ、うってつけなのでは? と感じた次第です。ただ、特殊能力てんこもりなので、インストはやや大変ですけれども。
 是非、お試しください。