雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

落ち着け……虚数を数えて落ち着くんだ……

みすてぃっく・あい(ガガガ文庫 い 3-1)

みすてぃっく・あい(ガガガ文庫 い 3-1)

 なんだかすっかり地雷原と見なされてしまった感のある小学館ライトノベル大賞ですが、一柳凪『みすてぃっく・あい』は、ちょっと驚いてしまうぐらい傑作でした。言うなれば『虚無への供物』のリリカル・ミステリー版。デビュー作となる本書はやや薄味ではあるけれど、書き続けていってくれたらライトノベルにおける幻想ミステリの旗手になりえるかも。今後、注目していきたい新人。以下、感想抜粋。全文はこちら

 それにしてもこういった幻想色の強いミステリは大歓迎。これがどうして期待賞なのだろう、ガガガ賞……は無理でもせめて佳作だろうと思う。女の子も可愛いし、絵師にも恵まれているし、著者にはもっと書いてもらいたいと思う。これは全力で応援したい。

 以下、この本を読んだ他のひとの感想。

 痛さと選択と受容とをあらわすギミックとしての量子解釈の使い方がとてもおもしろい。伏線、構成がきっちりあって全体としてしっかりそういう話に向かっている。

http://sabomemo-2.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_7d49.html

 登場人物はわずかに4人、200頁と少しというとてもコンパクトな物語ですが、とても読み応えがありました。数学的な伏線・表現・比喩が頻出しますのでその辺りで好みが別れるかもしれませんが(おまけに百合ものですが・笑)、広くオススメしたい佳品です。

http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20070921

 用意周到に張り巡らされた伏線の数々に驚いた。薄めで子一時間ほどで読み終われそうなこの本にここまで伏線を入れ込めるものなのか。

http://d.hatena.ne.jp/Gen9/20070923

『月の扉』の座間味くん、今度は安楽椅子探偵

心臓と左手  座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

 これは今までに読んだ安楽椅子探偵ものとしては一番かもしれません。『月の扉』で探偵役を務めた座間味くんが再登場する石持浅海の最新作『心臓と左手』ですが、『月の扉』を読んでおく必要はそんなにない……と思いましたが、最後の1編が後日談なので、先に読んでおくことをお勧めします。今なら文庫版がありますし。しかし『顔のない敵』『人柱はミイラと出会う』『Rのつく月には気をつけよう』と来て、また短編集です。そろそろ長編が読みたいですね。以下、感想抜粋。全文はこちら

特筆したいのは、真相の意外な壮大さ。大迫によってもたらされる謎からは予想もつかないようなドラマが、座間味くんの口から語られるのだ。よく、この小さな謎から、こんなにも大きな物語と真相とを膨らませられると思う。

月の扉 (光文社文庫)

月の扉 (光文社文庫)

 以下、この本を読んだ他のひとの感想。

 本作ではコロシもあり、キレキレの推理もあり、さらには現代本格らしい顛倒ロジックありと、マニアの方にも安心してオススメ出来る傑作集です。

http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=1371

 正直言って『月の扉』より本書の方が遙かに面白かったので、読まず嫌いだけはして欲しくないです。オススメですよー。

http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20070928

 理屈そのものは通っており、「なぜそれが真相だと言い切れるのか?」といった点では弱いものの、推理を楽しむことはできる佳品である。

http://d.hatena.ne.jp/Wanderer/20070930#p2

 座間味くんの推理は本当にささいな所でも取っ掛かりを見つけ隠された真相を導くのだが、それは警察とは全く違う、むしろ犯罪者の面から見ているような節さえある独特の見地から導かれており、そのアプローチは興味深い。

http://d.hatena.ne.jp/architect/20071004/p4

私的新刊案内(10月中旬)

 月に3回発信、私的新刊案内のお時間です。10月中旬の新刊で個人的に面白そうなものをご紹介いたします。
 9月10日〜19日20日〜30日10月1日〜9日こちら。

10/10 木ノ歌詠『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』

 富士ミス、青春ファンタスティック・ストーリーとのこと。

幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ (富士見ミステリー文庫)

幽霊列車とこんぺい糖―メモリー・オブ・リガヤ (富士見ミステリー文庫)

10/11 山口芳宏『雲上都市の大冒険』

 第17回鮎川哲也賞受賞作。なんだか義手を付け替えることで推理を進める名探偵が出てくるらしいです。要注目!

雲上都市の大冒険

雲上都市の大冒険

10/13 島田荘司『リベルタスの寓話』

 パワーダウンを知らない島田荘司の新刊、ボスニア・ヘルツェゴヴィナMMORPGとが交錯するミステリ。

リベルタスの寓話

リベルタスの寓話

10/13 真梨幸子『深く深く、砂に埋めて』

『孤虫症』で32回メフィスト賞を受賞した真梨幸子の第4作。真梨版『マノン・レスコー』のロマンスとのこと。

深く深く、砂に埋めて

深く深く、砂に埋めて

10/18 貴志祐介新世界より

 3年ぶりの新作は近未来のディストピアを舞台としたSF!

10/18 荒川工『にこは神様に○○される?』

ぼくらがここにいるふしぎ。』や『あやかしびと』で知られるエロゲーシナリオライターライトノベルデビュー!

にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1)

10/18 羽谷ユウスケ『“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ

 第1回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門、期待賞受賞作。

“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ (ガガガ文庫)

“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ (ガガガ文庫)

10/18 ツカサ『RIGHT×LIGHT 〜空っぽの手品師と半透明な飛行少女〜』

 第1回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門、期待賞受賞作。イラストを近衛乙嗣が担当!

10/19 浅暮三文『夜を買いましょう』

 ケータイ雑誌『theどくしょ』にて連載していた作品の文庫化。

対戦格刀剣花絵巻!無体絶対時代劇!刀語の第九巻♪

刀語 第九話 王刀・鋸 (講談社BOX)

刀語 第九話 王刀・鋸 (講談社BOX)

 一ヶ月遅れで読んでいます西尾維新刀語 第九巻』は王刀・鋸を蒐集する回です。表紙……と言うか、箱にはトンボや彼岸花が描かれていたりして、季節はすっかり秋ですね。以下、感想抜粋。全文はこちら

 とがめの奇策を用いつつ、七花と慚愧の正々堂々とした戦い。久しぶりに真っ当な刀集めの回だったように思う。その代わり、シリーズとしては繋ぎという印象が強いが、剣道をやっていた秋山にとって今回の刀の持ち主は非常に好印象。

 以下、この本を読んだ他のひとの感想。

 ええい、このバカップルめ!

http://www.booklines.net/archives/4062836394.php

 すっかりまにわに達にも情がわいて、このどたばたかつまったりな感じが楽しくなってきた。もう、そのまにわにも残り少なくなって寂しいな。

http://d.hatena.ne.jp/pnu/20070904

 いつの間にか表紙のとがめがなんだかミニスカート以上に際どい服装になっちゃってるんですけど、良いのか? いや、良いからいいか? うん、いいか・・・いいな・・・。

http://d.hatena.ne.jp/hobo_king/20070911/1189520846

 竹さんがまた絵が巧くなってて眼福。特に今回は汽口慚愧さんの意外な姿がお楽しみですよ。もちろん、ショートカット童子属性のとがめもいいけどね(笑)。

http://d.hatena.ne.jp/c-pete/20070913/p1