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小説探偵 GEDO (SFシリーズ Jコレクション)

　小説に描かれた物語世界に入り込み、物語の大筋に関与しえない領域である限り自由に振舞うことができる小説探偵・三神外道――通称げど。酒と小説とに溺れる日々、謎めいた素性の知れない美女、本の世界からの依頼人。魅力的な設定はステレオタイプなキャラクタによって消費され、表紙に暗示されるような暗い雰囲気の漂う小説だった。活字によって演出されるデカダンスに一度は放り出してしまったが、再度、挑戦してみたところ案外このローテンションも楽しめるかもしれないと思った。寝酒を手元に置き、片肘を突きながらページを繰るのが丁度いいだろう。