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されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る (角川スニーカー文庫)

 3年ぶりに再読。以前に読んだときは、第8章までの筆致があまりに不躾で、西尾維新を劣化させたように思えたが、古川日出男舞城王太郎を経た今、たいして苦ではなかった。むしろ読みやすくなってしまう後半より、アイデアとキーワードをこれでもかとぶち込んだ前半の方が、味わい深いかもしれないとゲテモノ趣味を覚えてしまいさえする。
 落ちを覚えていたので、展開に驚きは感じなかったが、意外に構造がしっかりしていたのだなと思った。角川スニーカーの中では人気シリーズで、後の方ほど人気が高いので、きっと語り口と罵りあいが洗練され、展開に緩急がつけられていることだろう。