第137回芥川龍之介賞候補作品
著者 | 題名 | 所収 |
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円城塔 | オブ・ザ・ベースボール | 文學界六月号 |
川上未映子 | わたくし率 イン 歯ー、または世界 | 早稲田文学0 |
柴崎友香 | 主題歌 | 群像六月号 |
諏訪哲史 | アサッテの人 | 群像六月号 |
前田司郎 | グレート生活アドベンチャー | 新潮五月号 |
松井雪子 | アウラ アウラ | 文學界三月号 |
候補作6作のうち柴崎友香は2回目、松井雪子は4回目のノミネート。他は全員、初と新しい面子が目立ちますね。特に円城塔と諏訪哲史はそれぞれ、第104回文學界新人賞受賞作・第50回群像新人文学賞受賞作でのノミネートで、これが受賞すればデビューして即芥川賞作家になることに。また、『早稲田文学』でずっと書いていたシンガー・ソングライターの川上未映子や、劇団五反田団の前田司郎が入っている点も注目です。
第137回直木三十五賞候補作品
著者 | 題名 | 出版社 |
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北村薫 | 玻璃の天 | 文藝春秋 |
桜庭一樹 | 赤朽葉家の伝説 | 東京創元社 |
畠中恵 | まんまこと | 文藝春秋 |
万城目学 | 鹿男あをによし | 幻冬舎 |
松井今朝子 | 吉原手引草 | 幻冬舎 |
三田完 | 俳風三麗花 | 文藝春秋 |
森見登美彦 | 夜は短し歩けよ乙女 | 角川書店 |
こちらも北村薫(5回目)と松井今朝子(3回目)以外は初候補ばかりと新しい作家が目立ちます。特に桜庭一樹・万城目学・森見登美彦は、今もっとも勢いと実力のある若手と言えるのでしょうが、出版社という面から見るとちょっと受賞は厳しそうです。逆に昨日の「ミステリクロノ予習にループ物ブックガイド」でも作品を紹介した北村薫は、今回、文藝春秋からのノミネートなので非常に期待が持たれます。が、同じくその文藝春秋からは畠中恵や三田完もノミネートされているので、どうなることやら読みづらいですね……。