- 作者: 牧野修
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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特に真の科学のクラブパートが良かった。嫌な教師や嫌な生徒を肉として、粛清しようとする節はこの世代の少年少女には考えられることだし、その気持ち悪さまで含めて、実に深く、抉りこむように描くことに成功していたように思う。
以下、感想リンク。ときにミステリであり、SFであり、ホラーであり、ファンタジィであるゆえに、評価がひとによって大きく分かれているようでした。
讀了したあとも、「雨の恐竜」と同様、心地よい余韻とともに登場人物たちの姿が心に残る作品で、YA!世代のみならず、自分のようなオジサンやオバサンでも十二分に愉しむことが出來るのではないでしょうか。この何ともいえない不思議と心地よい讀後感が「雨の恐竜」に非常に似ているゆえ、オジサンオバサンで「雨の恐竜」がツボだった人はおそらく自分と同様、本作もまた堪能できるかと思います。
http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=1317
水銀奇譚の成分を独断で分析すると、「青春:2%」「ミステリー:2%」「SF:6%」「オカルト:45%」「ホラー:45%」という結果が出た。この中のSF要素だが、水銀奇譚という物語を液体とするならば、不純物と呼ぶに然るべき物である。SF好きには作品全体の独特な世界観が肌に合いづらいだろうし、オカルト好きにはラストの不条理が到底納得出来ないはずだ。
http://blog.team-se7en.com/?eid=259509