先週末、春分の日に、国内ミステリ系の読書会「MYSDOKU 12」を開催しました。
課題図書は、2013年の、このミス1位に輝いた法月綸太郎『ノックス・マシン』。ミステリとSFの融合ということで、意気揚々と読み始めたのですが、正直、いかんともしがたい内容で、どうしたものか困り果てていました。
これは、自他ともに認める法月綸太郎の大ファンであるところのmikioさんと全面対決だな……と思いながら会に挑みました(ゴゴゴゴゴ
- 作者: 法月綸太郎,遠藤拓人
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/03/27
- メディア: 単行本
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会を振り返ってみて(ゆるやかにネタバレ注意)
『ノックス・マシン』に思うところあったのは秋山だけではなかったらしく、自己紹介からして「面白かった派です」「中立派です」「否定派です」と物々しい雰囲気が漂い、嵐の予感を覚えます。
とは言え、賛否両論ある本は、実は読書会向きなんですよね。全員の評価が、ひとつに定まっている場合は、
「良かったですね」
「そうですね」
「…………」
「…………」
「面白かったです」
「私もです」
「…………」
「…………」
と、逆に盛り上がらないので、ある程度、石を投げ込むひとがいた方が盛り上がると思うのですよね。
そんなわけで、今回も大いに議論が盛り上がり、面白かったです。
ほう、そういう見方もあるのか。と、納得した意見としては……、
・救済の物語である。
・表題作は2008年の作品なので、伊藤計劃『ハーモニー』以後でも『シュタインズ・ゲート』以後でもない。
・今なら中国人じゃなくてニンジャ。
・「引き立て役倶楽部の陰謀」をオートポエティクスの陰謀と考えると面白い。
・「論理蒸発」の真相は『カーテン』を意識しているものと思われる。
・『九尾の猫』は救いを取り戻す話。
・1位に推している投票者は少ないが、2位〜6位に推している投票者は多い。
こんなところです。
ちなみに参加者は9人でした。もうひとり多ければ、No Chinamanを入れて11人いる……! とか言えましたね。
打ち上げ
終了後は、ミスボドの二次会でも、普段から使っている、月とすっぽんに行きました。
毎月、大人数で参加していることもあってか、板長さんから「プレゼントです」と、スズキを丸々一匹いただいてしまいました。ありがとうございます。
後、課題図書に出てくる「オートポエティクス」という概念にちなんで、物語を奏でるボードゲーム『妖精奇譚』と人力で句を詠む『詠み人知らず』を遊んだりしました。
(妖精奇譚、拡張なし:秋山42点、森さん38点、ogawaさん35点、みっつさん31点、mikioさん28点)
(妖精奇譚、拡張あり:ogawaさん44点、みっつさん43点、mikioさん&秋山:39点、森さん31点)
終わりに
と言うわけで、楽しい会でした。
次回は7月の3連休あたりを予定しています。課題図書は十市社『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』が有力候補です。よろしくお願いします。
ゴースト≠ノイズ(リダクション) 【ミステリ・フロンティア版】
- 作者: 十市社
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/01/15
- メディア: Kindle版
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