なんだか緩やかに入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』が広がっているような気がします。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)
- 作者: 入間人間,左
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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でもR−18に指定したい。というかこれを楽しめるの子供は何か間違っているような気すらする。
読むなとは言わないけど、心して読んでほしい。
実は是非読んでほしいけど、読めと言えない。
まあ、本音が「是非読んでほしい」ということなので、スルーしてもいいのですが「これを楽しめるの子供は何か間違っているような気すらする」には首を振らざるを得ません。
なんて言えばいいのでしょうね、大人の自分勝手な感性によって子どもから小説を奪うという行為が、あまり好きではありません。たとえば秋山の記憶では、麻耶雄嵩『神様ゲーム』が顕著な例です。

- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/07
- メディア: 単行本
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けれど、だからと言って『神様ゲーム』が子どもたちに読ませるべきでないとして、忌避されるべきでしょうか?
否、と秋山は答えます。断じて否、と。
むしろ積極的に読ませたいとすら思います。何故なら、ひとはDarkを知ることでDarkに転向し、知らなければLightのままでいられるというわけではないのです。CHAOSを知ることでCHAOSに転向し、知らなければLAWのままでいられるというわけでもないのです。そもそも、LightにせよLAWにせよ、大人がそうだと思っているだけで、本当にそうであるとは限りません。『神様ゲーム』や『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』がDarkであるとかCHAOSであるというのも、見方のひとつであり、大人、もしくは個人の幻想であるという可能性すらあるのです。だとしたら、それをこそ教えるべきではないでしょうか。この世には単一の思考では判断しきれない事項があり、物事の見方はひとつでなく、二元論的な思考こそ極めて危険である、と。
この思考がもうちょっと過激になると「安心して子どもに読ませられるという本など、子どもを精神的に去勢することに他ならない。ドブに捨てろ!」となるのですが、さすがにそこまでは思っていません。タイトルはちょっと大げさに言ってみました。
まあ、そうは言っても子どもに様々な考え方を教えてあげたいからと言って『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』が相応しい作品かと問われると、それも首を捻るところです。西尾維新の戯言シリーズはいいかもしれませんね。後、赤江瀑。
*1:小説は読了済みのものを除いて感想を読まないようにしているのです。