雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

1月の読書メーター

読んだ本の数:30冊
読んだページ数:7018ページ

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
操り、忘却、隠密、不死。魔術が存在する中世を舞台に繰り広げられる本格ミステリ。素材のひとつひとつは間違いなく秋山の大好物だったのだが、出来上がった料理が果たして美味しかったかと問われると素直には頷けない。丁寧な描写、謎めいて輝く登場人物、センチメンタルなストーリィ、それらは確かに極上だが、果たして米澤穂信が仕上げなくてはならないものだったのかと問われれば疑問が残る。或いは、素直に喜ぶべきなのかもしれない。またひとつ、フーダニットの傑作が世に解き放たれたという奇跡を。だが、しかし……。
読了日:01月02日 著者:米澤 穂信
ビジネスモデルを見える化する ピクト図解ビジネスモデルを見える化する ピクト図解
ビジネスモデルを「ヒト・モノ・カネ・時間」の4点までシンプライズして、図化する方法と、その活用の仕方。けっこう極限までシンプライズさせているので、現存するビジネスモデルは、ほぼ全て網羅できそう。だから、現存しない、全く新しいビジネスモデルを構築したくなると言うより、既存と既存を組み合わせて、意表を突く、しかし別段これと言って新しいわけではないビジネスモデルを創出できるようになる、と言った感じか。自分の中にモデルを蓄積させて、組み合わせられるようになると面白そう。
読了日:01月02日 著者:板橋 悟
猫物語 (黒) (講談社BOX)猫物語 (黒) (講談社BOX)
隠蔽されていた春休みの事件(傷物語)に続き、ゴールデンウィークの話。アニメ放送後のこともあって、西尾維新絶好調だなあと思いながら妹との下らなくも愛らしい、冗長だけれど緩急に富んだ会話を飽き飽きしていたら、後半から、いきなりアクセル全開で秋山歓喜。いちばん衝撃的だったのは、終盤の見開きのページ。これは戯言シリーズや、りすかでも見られたお得意の一芸ではあるけれど、今回は正直、衝撃を受けた。それまで完璧に完結していたキャラクタであるからこそ、あの自滅的なフレーズには、心底ゾッとした。
読了日:01月10日 著者:西尾 維新
なれる!SE3 失敗しない?提案活動 (電撃文庫)なれる!SE3 失敗しない?提案活動 (電撃文庫)
傑作。読み始める前は、正直に言って怖かった。自分が真剣にかつ全力を出さざるを得ない仕事に対して、どのような解釈されたり、メスを入れられたりするのかと。しかし、読了後にあったのは納得と爽快感だった。タイトルには『SE』が入っているけれど、SIerという業種や営業という職種に理解を示してくれていて、とても嬉しかった。作中では(あれでも)楽しいところが多かったけれど、実際には、あれだけやっても余裕で負けるし、負け続ける。それでも、きっと仕事が続けられるのは、稀に勝てるからだろう。良い作品だった。梢さん素敵。
読了日:01月15日 著者:夏海 公司
天上天下 1 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 1 (ヤングジャンプコミックス)
完結と聞いて、懐かしさを覚えながら再読に着手。こんな話だっけなあ? と首を傾げながら読み進めていくと、執行部と言うのが出てきて、あー、はいはい、最初の数巻は柔剣部対執行部だったなあ、と思い出した。続きも、さくさく読んでいく。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 2 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 2 (ヤングジャンプコミックス)
存外に展開が早い。2巻にして早くも執行部が全員登場とは。執行部の会長が出てくるのって、4巻か5巻くらいな気がしていたけれど、そんなことは、全然なかった。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 3 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 3 (ヤングジャンプコミックス)
お、俵さんじゃないですかー。なんとなく、いいキャラであることは覚えている。「……で────結局どうする? ヤるのか?」「SEXならな。ケンカはパス。だって痛いんだもん」うーん、さいこー。良いね、こういうキャラ。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 4 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 4 (ヤングジャンプコミックス)
過去編開始。棗慎に関しては、ロンゲであることくらいしか記憶していなかったから、初登場時には「うん、誰だっけ?」と首を傾げてしまった。しかし、それより驚いたのは千秋だ。その存在を欠片も覚えていなかったけれど、中々どうして重要そうなキャラではないか。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 5 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 5 (ヤングジャンプコミックス)
俵文七、マジかっけぇ! それはそうと、過去編は存外にミステリ仕立てである。複数の勢力があって、それぞれに思惑があって。だが! そんな個々人の考えを、すべてすっ飛ばして、己の両手だけを頼りに、殴り飛ばすことで道を切り開き、魔に染まった棗慎の目を覚まさせようとする俵さんは、やっぱり格好いい。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 6 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 6 (ヤングジャンプコミックス)
過去編も佳境かな。KATANA解散、そして柔剣部、設立。ところで光臣と真夜が仲良くしているのを見て、ああ、青春だなあ、と思った。いい青春であると同時に、なんだか胸がズキズキと疼いた。リア充爆発しろ! と心の片鱗で思っていたら、慎も同様の想いに駆られていた様子。しかも、もっともっと深い。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 7 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 7 (ヤングジャンプコミックス)
痛切だなあ。ちからを望み、ちからを手に入れ、そして、ちからに溺れる不条理さ。別に誰が悪いわけでも、誰も悪いわけでもないのに、この結末は、あまりに痛切。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 8 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 8 (ヤングジャンプコミックス)
過去編おしまい。そしてシームレスに現代編へ回帰。過去と現在とは、分かたれているのではなく、一続きに繋がっていることの証左か。しかし、過去編を読むと、現在編の登場人物たちが、やけに幼く見えて仕方ない。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 9 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 9 (ヤングジャンプコミックス)
Fの登場。新しい時代の幕開けと同時に、旧時代の終わり。正直、田上士郎の惨敗っぷりが無念極まりない。いいキャラであるにも関わらず、敗北ばかり。主人公勢が強すぎるから、同等レベルに強い敵を用意しないとならないのは分かるけれど、もう少しバトルを繰り返しても良かったのではないかと思わないでもない。
読了日:01月16日 著者:大暮 維人
天上天下 10 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 10 (ヤングジャンプコミックス)
明確に、思い出したような気がする。このシリーズを、追っていたのは、ここまでだ。いちばん最近に読んだためか、けっこう明確に覚えているシーンがあった。しかしなあ、いつも思うんだが、格好いい男が、格好よく戦おうとして、しかし戦い始める前に負けてしまうのは、実に切ない。俵文七も、いつか負けてしまう日が来るのだろうか。いや、そんなわけはない。
読了日:01月17日 著者:大暮 維人
猫物語 (白) (講談社BOX)猫物語 (白) (講談社BOX)
傑作、であろう。語り手が羽川に変わったのは意外であったが、くだらない話でページ数を稼がれるまでもなく、テンポ良く進んでいくのは実に心地よい。まあ、そんなことは、どうでもよくて、ここに来て、このシリーズは、キャラクタ小説から、上質な青春小説に変化を遂げたように思う。或いは、初恋小説でも、それとも失恋小説でも。これは自覚の物語であり、きっと旅立ちの物語であると同時に、ただいまの物語なのだろう。次巻以降、ヒロインがひとりずつ救済されていくのだろうかと思うと、実に楽しみ。今から泣けてくる。
読了日:01月17日 著者:西尾 維新
天上天下 11 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 11 (ヤングジャンプコミックス)
凄まじい勢いで、Fは脱落していくなあ。このままでは、予備戦が始まる前に、全員リタイアしかねないのではなかろうか。
読了日:01月19日 著者:大暮 維人
天上天下 12 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 12 (ヤングジャンプコミックス)
天上天下唯我独尊、か。ラスボスと思しきキャラは、登場場面ではインパクトに富んでいたけれど、どんどん負け戦を重ねていて、大丈夫なのかしら?
読了日:01月19日 著者:大暮 維人
天上天下 13 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 13 (ヤングジャンプコミックス)
ちょっと不鮮明度が上がったような。各々の思惑や考えていることが、隠されすぎているがゆえに、物語がどの方向に向かおうとしているのかが、今ひとつ見えてこない。読み進めれば、少しは分かるだろうか。
読了日:01月19日 著者:大暮 維人
天上天下 14 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 14 (ヤングジャンプコミックス)
胸が、引き裂かれそうだ。なにしろ、この作品で秋山がいちばん好きなのは、迷うことなく悩むことなく棗真夜なのだから。その彼女の、こんな痛々しいシーンの連続! うーん、ここで止めるわけにはいかない。次の巻へと伸ばす手を止められない。
読了日:01月19日 著者:大暮 維人
天上天下 15 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 15 (ヤングジャンプコミックス)
まさかの過去編。この展開は予想していなかった。しかし、俄然、山田風太郎の雰囲気を帯びてきたなあ。
読了日:01月19日 著者:大暮 維人
天上天下 16 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 16 (ヤングジャンプコミックス)
まさかのサーガ・マスク再登場。しかし、残念だなあ。この作品、いいキャラほど絶対的に弱いと言うのが切ない。
読了日:01月20日 著者:大暮 維人
天上天下 17 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 17 (ヤングジャンプコミックス)
あのクズ男がカッコいい……だと……っ!!???
読了日:01月20日 著者:大暮 維人
天上天下 18 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 18 (ヤングジャンプコミックス)
何度、登場しても、最高に格好よくあり続けてくれるダブルインパクト俵が、今回もやってくれた! 快進撃!! これぞ、俺たちの文七さんだ! と、快哉をあげていたのに、最後の1ページで、な、な、な、なんだとぉっっ!
読了日:01月20日 著者:大暮 維人
天上天下 19 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 19 (ヤングジャンプコミックス)
棗真夜を見る俵文七の瞳の、なんと慈愛に満ち溢れたることか。そして、光臣。お前は、もう駄目だ。「死神の言葉と力を持った人間」よ……。
読了日:01月21日 著者:大暮 維人
天上天下 20 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 20 (ヤングジャンプコミックス)
いつかは、来るかもと思っていたけれど、ついに超常の領域へ至った。後、2巻。どうか、皆が笑顔で拳を掲げるせかいを。
読了日:01月21日 著者:大暮 維人
天上天下 21 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 21 (ヤングジャンプコミックス)
なにが起こっているのか、もう意味が分からん。結局、誰がいつ何でどういうこと??
読了日:01月21日 著者:大暮 維人
天上天下 22 (ヤングジャンプコミックス)天上天下 22 (ヤングジャンプコミックス)
完結。道場に掛けられた、あの写真を見た瞬間に、思わず涙が目尻に浮かんだ。しかし、良かった。きっと、これが在るべき終わりだったのだろう。亜夜が龍眼で見て、誰にも伝えることができなかった、最後の風景だったのだろう。そして、ああ、文七さんが、最後にちょっとだけでも描かれていて良かった。本当は、脇役のその後も1ページずつで構わないから描いてくれれば嬉しかったのだけれど、文句は言わない。読めて良かった。中学生の頃に出会ってから、読み終えるまで、ずいぶん掛かってしまったなあ。
読了日:01月21日 著者:大暮 維人
毒入りチョコレート事件 (創元推理文庫 123-1)毒入りチョコレート事件 (創元推理文庫 123-1)
最後の2ページに待ち受ける衝撃! 中盤までは退屈だったけれど、推理合戦が白熱し始めてからは、手に汗を握った。しかし、真に素晴らしいのは、やはり伏線の敷き方であろう。実に緻密に計算されたロジックと、アクロバティカルな推理。本格ミステリ史に名を刻むに相応しい傑作であると、しみじみと感じ入った次第。
読了日:01月23日 著者:アントニイ・バークリー
ジャンピング・ジェニイ (創元推理文庫)ジャンピング・ジェニイ (創元推理文庫)
本格かと思いきや、倒叙物かと思いきや、バカミスかと思いきや、本格であったと言う傑作。MYSDOKUの課題本に挙げられなければ読まなかっただろうし、読書会に参加しなければ、この真価は見抜けなかったであろう。読めて良かった。
読了日:01月23日 著者:アントニイ・バークリー
[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
野崎まど。またひとり、ミステリ史に名を残すべき作家が現われたように感じられた。天才という題材は、森博嗣西尾維新という系譜への列なりを連想させ、終盤で提示される後記クィーン問題や探偵の○○は、まさしく現代の国内ミステリ作家が挑んでいる最新のテーマに他ならない。若干、幕の降ろし方と言うか、結末の見せ方に不案内なところが見受けられたけれど、デビュー作であることを考えると、なんら問題ない。むしろ、この高い意欲と、テンポの良い会話や展開が描けることを賞賛したい。他の作品もすぐに読みたい。
読了日:01月29日 著者:野崎 まど

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