雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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8月の読書メーター

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2376ページ
ナイス数:36ナイス

騙王 (メディアワークス文庫)騙王 (メディアワークス文庫)
口先だけで内外の敵を騙り、王への道を登り詰めようとする第二王子の物語。敵が愛や血や忠義で連携を組んでいるのに対し、王子の味方は損得勘定と闇取引で繋がっているのみで、非常に弱々しい。しかし、紙一重をハッタリと裏工作で乗り切る手腕が目まぐるしく、こと交渉という観点からすると、非常に濃密な一冊だったと思う。けれど。ほんとうにそうなのだろうか、とも思う。確かに王子も相手も、口先では利のためにと言って協力関係を結ぶ。しかし、実際には、そこに一片の情があるような気がしないでもない、お互いがそれを認識していないだけで。
読了日:08月03日 著者:秋目 人
NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
この手のアンソロジィは、やはり全て読まずにはいられない。そして、それが面白くなかったときの落胆ぶりは大きい。リスク分散のために、ページ数は短く、作家数は多く、というのが個人的には希望。特に面白かったのは「ドリフター」と「宇宙以前」の2作、かな。このふたりの作品は、他のも読んでみたいと思いました。
読了日:08月04日 著者:
ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)
これは、面白いときの三雲岳斗と言っても差し支えないような。見た目は『GOSICK』だけれど、中身は『キノの旅』みたいな感じ。ダリアンの可愛さはさておきとして、中世ヨーロッパの感じや、書物の伝説について語る下りなどは、中々、他の作家には書けない筆力。予想以上に面白かったので、2巻以降も読んでみたい気がするけれど『キノの旅』のように劣化していく一方だったり、同じようなレベルの話が延々と続いたり、バトル物になってしまうのならけっこう。ミステリ色が強くなるのなら、是非、読みたいのだけれど。どうなのかな?
読了日:08月06日 著者:三雲 岳斗
ゆる本 Vol.12ゆる本 Vol.12
2011年夏に発刊した同人誌『ゆる本 Vol.12』を試験的に登録してみました。活用頂けるようであれば、今後も登録していこうと考えています。よろしくお願いします。
読了日:08月14日 著者:雲上回廊
Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)Boy’s Surface (ハヤカワ文庫JA)
「この本は、一体どうやって楽しんだらいいんだろうな」と模索しながら読んだ、大変厄介で疲れるし面倒。読んでいる最中に1番面白かったのを決めようと思いながら読み進めたけれど「Goldberg Invariant」と「Your Heads Only」で甲乙付けがたい。どちらも『喜嶋先生の静かな世界』を思わせる、スマートは人物が登場し、人工知能と思われる語り手の挿話がある。博士と人工知能。これは秋山が偏愛するモチーフのひとつで、もうそれだけで好きだ。逆に言うと、それしか好きでない。もう円城塔は読めないだろう。
読了日:08月14日 著者:円城 塔
NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
今回は面白い作品が多かった。ベストは宮内悠介「スペース金融道」。『ナニワ金融道』未読なので、隠されているであろうネタは拾えなかったけれど、クラウドやアンドロイドといったネタを、上手く作品に昇華しているように感じました。次は須賀しのぶ「凍て蝶」これは切ない良いお話。友成純一「アサムラール」は引きこまれた。他の作品も(ただし真っ当な)も読んでみたい。石持浅海「三階に止まる」も、まあ面白かったかな。ミステリからホラーへの落差が激しかったです。伊坂幸太郎「密使」は期待ほどではなかったけれど、面白くなくはない。
読了日:08月25日 著者:東 浩紀,伊坂 幸太郎,石持 浅海,上田 早夕里,須賀 しのぶ,図子 慧,友成 純一,宮内 悠介
乱☆恋  婚約者は16人!? (富士見ファンタジア文庫)乱☆恋 婚約者は16人!? (富士見ファンタジア文庫)
肩の力を抜いて読みたい&舞阪洸の作品を読んでみたいの観点から手にとってみたのだけれど、ずいぶんと読みだす前の印象と前半の印象と後半の印象、その全てが異なる。最初はハーレム物と思いきや、前半はファンタジィで、後半はまさかの策謀渦巻く軍事ファンタジィ。格好いいキャラクタが陰謀を巡らし、将棋の駒を進めるように戦争してくれたら面白そうだけれど、そうではない要素が多すぎて、ちょっと好みからは外れてしまうかな。息抜きにはなったし、2巻はいいやという感じ。
読了日:08月27日 著者:舞阪 洸
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)
イジメ問題と二階堂の秘密。今回、いちばんグッと来たのは「──ああ、そうだ、思いだした。『ここ』じゃない。こんな笑い声の中には、一人ぼっちの人間は、いられない。──いられる訳がない」なんだか賑やかで、楽しそうで、ああ、ここは自分の居場所じゃないなあって感じのところ、ありますよね。しかし、二階堂も、やはり暗い過去持ちであったか。彼の底なしの明るさも、やはり暗闇の中からひと筋の光を願って生まれたものなのだろうか。後、島田八段の胃痛ネタは鉄板なのか。もう胃薬とか出せばいいのに。
読了日:08月28日 著者:羽海野 チカ

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