雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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fの魔弾 (カッパノベルス)

fの魔弾 (カッパノベルス)

 装丁が『ゴーレムの檻』に似ていたので、幻想的な色合いを持つ作品かと思いきや、真っ当な本格ミステリで逆に焦ってしまった。いきなり射殺体の傍らで意識を取り戻すという謎の多い現在パートと、旧友の無実を証明すべく奔走する過去パートが交互に続くのだが、カットイン・カットバックの多用で物語世界に入りにくかった。過去パートも場所が目まぐるしく移り変わるので、事態を把握するのに時間が掛かってしまった。
 本格ミステリ的なお約束は、全て果たされておりその点においては満足できると思う。特筆したいのは、現在パートと過去パートが繋がる瞬間。熱すぎる。絶望的な密室が崩される瞬間が、本当に白熱するのだ。面白かった。