2006-02-06 832 fの魔弾 (カッパノベルス)作者: 柄刀一出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/11/18メディア: 新書 クリック: 10回この商品を含むブログ (31件) を見る 装丁が『ゴーレムの檻』に似ていたので、幻想的な色合いを持つ作品かと思いきや、真っ当な本格ミステリで逆に焦ってしまった。いきなり射殺体の傍らで意識を取り戻すという謎の多い現在パートと、旧友の無実を証明すべく奔走する過去パートが交互に続くのだが、カットイン・カットバックの多用で物語世界に入りにくかった。過去パートも場所が目まぐるしく移り変わるので、事態を把握するのに時間が掛かってしまった。 本格ミステリ的なお約束は、全て果たされておりその点においては満足できると思う。特筆したいのは、現在パートと過去パートが繋がる瞬間。熱すぎる。絶望的な密室が崩される瞬間が、本当に白熱するのだ。面白かった。