雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

新しい交渉システムによる2人用『ボーナンザデュエル』の感想

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 ウヴェ・ローゼンベルクの初期カードゲームにして、交渉ゲームの傑作とも言われる『ボーナンザ』の2人用に特価した独立型の拡張を遊びました。その名も『ボーナンザデュエル』分かりやすいですね。
 元々の『ボーナンザ』は3人以上の交渉ゲームなので、それを、どう2人用に料理したかがポイント。
 が、結論から言うと、


 ちょっと違う。


 と感じました。
『ボーナンザ』における交渉は、なんて言うのでしょう、自由交渉? まあ、何を言っても良いわけです。これをあげるから、それが欲しいとか。これは要らないから受け取って欲しいとか。
 うまいこと説明できないんですけれど、『ボーナンザ』は、交渉するだけで強いと感じています。一歩はもちろん、半歩でも手番外に進められるのであれば、交渉に関わっていない他プレイヤに対して有利なので、基本的に交渉に関わるだけで得でしょう。
 しかし、これが2人プレイとなると話は別です。
 要は、Win-Winが成立しえないんですよね。
 交渉はお互いにとって利がなければ成立しないわけですが、お互いにとって均等に利がある場合、両者の点差は広がらないわけで、2人プレイのとき交渉はしてもしなくても関係なくなってしまうのです。


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 そんなわけで冒頭に記した通り、2人プレイで成立する交渉とは? となるわけですが、ウヴェの回答はブラフ、でした。
 たとえば、


「18あげる」


「18いらないから、12あげる」


「12いらないから、16あげる」


「じゃあ、16もらう」


「ごめん、16なかった。1ターラー払うから許して」


 こんな感じで、お互いにカードを1枚、贈与しあおうとして、どちらかが提案を受け入れるまで続くわけです。
 提案を受け入れられたとき、提案したカードを持っていたら渡さないといけないですし、持っていなければ1ターラーを代わりに払わなければなりません。
 単純に贈与なので、相手に提案を呑まれたら、向こうが一方的に得をします。これを避けるために、向こうが欲しがらないであろう、そして自分が持っていないカードを提案したりするのですが、下手に受け入れられたらターラーでもって弁償しなければならないので、まったくもってひどい話です。


 そんなわけで、新しい交渉システムと謳われていますが、実質的にはブラフで、これはこれで面白いけれど、これは自分が『ボーナンザ』に求めているものではないなあ、と感じた次第です。


 他に、1つランクの低い豆を植えられる救済策ですとか、特定の順番で豆を植えたときにボーナス点が入る仕組みもありますが、やや冗長に感じられました。単に畑数を増やす、とした方がシンプルではありますが、力強い解決だったのではないかと思います。


 挑戦的ではあるけれど、ちょっと違う、そんな感じでした。
 ただ、良いな! と感じたのは、コンポーネント的に『ボーナンザ』を含んでいるということ。これを買えば『デュエル』も遊べるし、基本も遊べます。優秀!