ボードゲームもマーダーミステリーも好きな秋山です、こんにちは。
マーダーミステリーというゲームを、メカニクス的に解体していくと交渉ゲームという要素があるなあと思ったので、今日は、そんな話をします。
そもそも交渉ゲームとは?
ボードゲームを遊び慣れない方には、ピンと来ないかもしれませんが、交渉ゲームというジャンルのゲームがあります。
具体的なゲーム名を挙げると『カタンの開拓者たち』や『ボーナンザ』です。
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交渉ゲームと聞くと、なんとなく口八丁手八丁で、自分にとって有利な条件で交渉を行ない、相手からより多くを引き出す……というイメージがあるかもしれませんが、秋山は、そうは思いません。
交渉ゲームにおいて重要なのは、WinWinという考え方です。
たとえば、木材が余っていて煉瓦が必要なときに、煉瓦が余っていて木材が必要なプレイヤーがいれば、そのプレイヤーとは木材と煉瓦の交換が成り立つわけです。そして、自分とそのプレイヤーが一歩ずつ進んだとき、交渉に関われなかった第3のあるいは第4のプレイヤーは置いていかれることになります。
ゲーム終了時までに、より多くのWinWinの関係を見つけだし、より多くのプレイヤーと交渉したプレイヤーがゲームに勝利する。それが、交渉ゲームです。
マーダーミステリーにおける2種類の目標
多くのマーダーミステリーには、被害者を殺した犯人を探すというメインミッションの他に、プレイヤー個人に与えられたサブミッションが存在します。
メインミッションに関しては、犯人VS犯人以外という構図になりますが、サブミッションの場合は個人戦です。
たとえば、実は富豪、実は盗賊、実は警察というプレイヤーがいたとして、
・富豪は宝石を集めるのが目標、盗賊から買い取りたい。
・盗賊はお金を集めるのが目標、金持ちに売り払いたい。
・警察は盗賊を捕まえるのが目標、誰が盗賊かを知りたい。
というサブミッションをそれぞれ持っていたとき、
富豪さん、宝石ほしくないですか? お金と交換で宝石を譲ってもいいんですけれど、もうひとつ条件があります。私と交換したってことを秘密にしてもらってもいいですか?
みたいなWinWinな交渉が成り立つわけです。その他の理由に阻まれて断られるときもありますけどね……。
サブミッションを達成するには密談を活用
上記の会話は、もちろん公の場で行うのはリスキーです。
全プレイヤーが集まっている空間で、いきなり、
この中にお金持ちのひとっています? 宝石が欲しければ、お金と交換で宝石を譲ってもいいんですよ
なんて言おうものなら、勘のいい警察には、すぐに「あいつ、貧乏っていう設定なのに? なんで宝石なんて持ってるんだ? もしかして、あいつが俺のサブミッションで指定されている捕まえるべき盗賊なのか?」と気づかれますし、うっかり富豪が盗賊との交渉に乗ろうものなら、実は富豪の命を狙っていた暗殺者が、内心にんまり……となったりします。
このような事態を避けるため、大事になってくるのは、もちろん密談。
ひとりひとりと直接、会話しつつ、交渉相手として適切なのか見極める必要があります。
註釈、交渉ゲームがすべてじゃないよ!
気の向くままに書きましたけれど、勘違いしていただきたくないのは、交渉ゲームの要素を持つマーダーミステリーは一例に過ぎないことです。
誰ともWinWinの関係を築けず交渉の余地がないゲームもあるでしょうし、密談というシステムがないゲームもあることでしょう。
そもそも、交渉ゲーム的な要素は、マーダーミステリーにおける数ある要素のひとつに過ぎないので、その点はご留意いただければ幸いです。
終わりに
と言うわけで、マーダーミステリーには、交渉ゲームの要素があるよね、という話でした。
もし同卓して、秋山と交渉の余地があるなと思ったら、そっと密談に誘ってください。よろしくお願いします。