雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

島田荘司サイン会レポ

島田荘司全集 1』のサイン会がミステリ専門書店TRICK+TRAPで行われ、そのレポートがパン屋のないベイカーストリートにてに載せられています。

 それというのも、島田先生が一人ひとりの読者とじっくりお話になり、写真を撮りますか、握手をしましょう、と至れり尽くせりの対応ぶり。
 ミステリが好きで、書くことに興味がある、という女子高生のお客様には、ミステリ界は貴女のような方の出現を待っている、と身を乗り出して熱っぽく語られる……といった具合でした。その間なんと7時間、一分の休憩も無し、でした。
http://blog.livedoor.jp/jigokuan/archives/50723343.html

 これを読んで思わず感動してしまいました。

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白翁さん(id:hakuoh)出番ですよ。

# sinden 『海燕さんぐらいコメントのもらえる人はかえって迷惑かもしれませんが、自分はケータイに通知が来るようにしています。「ケータイでコメントを受信して、レスを考えて、帰宅してレス」できるのが魅力です』 (2006/10/03 23:15)
# kaien 『なるほど、それはいいですね。問題はぼくはあまり携帯を持ち歩かないということですが。だって、どうせ誰からもメールも電話も来ないんだもん。』 (2006/10/03 23:36)
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20061003/p2

1109『塗仏の宴 宴の始末』

文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

文庫版 塗仏の宴 宴の始末 (講談社文庫)

 京極堂シリーズ六作目の下巻にして、初期京極最後の作品。八年ぶりに再読。
 上下巻合わせて二千ページという物質的な量もさることながら、物語のスケールも非常に大きい。『魍魎の匣』に登場した美馬坂幸四郎を越える敵が、巧妙に用意した事件を語るだけで『宴の支度』を使い果たしていたり、今まであれば三分の二から四分の三を読み終えたところで探偵役を務める京極堂こと中禅寺秋彦が、事件に解決に乗り出すことを決意していたのが、本書では九割を過ぎるまで重い腰を上げなかったり。とにかく圧巻であった。
 欠点を挙げるとすれば、鋭すぎることだろうか。従来の京極堂シリーズは、複数の事件が複雑に入り混じり、真犯人の仕掛けた罠が枝葉末節にまで及んでいたのだが、本書においては端麗な仕掛けが施されており、それを明かされた瞬間にすべてが瓦解するように理解できてしまうのだ。したがって、持って回るような京極堂の言説を好むひとには、やや不向きかもしれない。

1110『ぷいぷい!』

ぷいぷい! (MF文庫J)

ぷいぷい! (MF文庫J)

『風水学園』で知られる、夏緑の新シリーズ。
 魔法のランプを下地にしているのだが、その突飛な設定に驚いた。通常、ランプをこすると中から魔神の精が煙と共に出てきたりするのだが、この物語の主人公が手に入れた魔法ランプからは、クラスメイトがメイド服を着て、出てくるのだ。
 このクラスメイトがまたくせもので、超わがままお嬢様なのだ。主人公のことを庶民庶民とバカにしつつも、魔神としてのレベルを上げるために「何か命令を寄越しなさいッ」とえらそうに振る舞うのだ。特に恋心などは描かれていないからツンデレには属さないだろうが、これもひとつの新しいヒロインかもしれない。
 ところで図書委員のサブキャラがとても面白い。外見は『SHI-NO』の支倉志乃で、何の変哲もない話の最中に、唐突に「クックックッ」と笑いが入るのだ。奇妙な味わいを持っている。

1111『魔銃使いZELO』

魔銃使いZELO (富士見ファンタジア文庫)

魔銃使いZELO (富士見ファンタジア文庫)

『天華無敵!』で知られる、ひびき遊の新シリーズ。
 これは中々、面白かった。地界と呼ばれる地底を舞台とした物語で、主人公はひょんなことからその世界に迷い込んでしまった少女。地上人の処女は、自らの血液を魔銃に垂らすことで物言う武器を目覚めさせることができ、地界で暮らしている元地上人の何割かは、鎖乙女という首輪から魔銃をぶらさげる魔銃の管理者になるという。物語は主人公が鎖乙女となって、相棒となる魔銃使いと出会うところから始まる。けれども、この魔銃使いがまた変わっていて、極度の臆病者なのだ。生を望む「渇望」の力をエネルギーに変えて発射することのできる魔銃、その使い手として彼は一流だけれど、あまりに気弱のため戦前逃亡を繰り返してしまうのだ。
 上手くできているなと思ったのは、設定が上手く絡まりあっていること。魔銃の起動には鎖乙女が必要で、魔銃の発射には渇望している魔銃使いが必要という、魔銃を中心に据えた関係が、良質のボーイ・ミーツ・ガールを形成しているように思う。ただ、抜きん出ている箇所がなく、ウェルメイドに落ち着いてしまっているので、ライトノベルに新しいものを求めている人には不向き。