『回廊』の編集作業を行う上で一番大事で絶対に忘れてならないのは「楽しんでいこう」という気持ちだと思っています。勿論、原稿を預かる身として責任を求められていますから「お給料を貰ってやっている仕事のつもりで」と思ってはいますが、同時に「思惑とか打算は関係なく、ただ自分が面白いから自分のためにやりとげる」という意識も持っています。この思考は、秋山における雑誌という概念にはじめて触れた、原体験に大きく影響を受けているような気がします。具体的にはゲーム雑誌。小学生から中学生まで秋山はかなりのゲーム好きで、ファミ通や電撃プレイステーションといった雑誌を熱心に立ち読みし、気に入ったコラムなんかは切り取ってバインダにて保管していました。大好きなゲームを無料で好きなだけプレイしてそれで記事を書いてお金が貰えるなんて、なんて理想的で幸福な職業だろうと当時は思いました。制作者の理念、愛や魂と言い換えても構いません。そういった何か超越的で感覚的観念的な何かは、必ず記事ににじみ出てきます。平易な言葉で言えば、書き手が楽しんでいれば、読み手も楽しめるということです。勿論、書き手の隠された努力や忍耐がなければその限りではありませんが、楽しむことさえできればいかなる努力も忍耐も苦痛なりえません。本当に辛いのは楽しめなくなり、仕事としてしか触れられなくなったとき。好奇心は有限です。尻切れトンボですが、今日はここまで。