雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

吉永さん家のガーゴイル

 いやー、これ面白いわ。
 なんと言ってもまず口絵がぶっ飛んでいる。以下引用。

「ちわー」
「はい。いらっしゃいませ」
(ここでページが変わる)
「この青龍刀がかわせるかしら?」
「武器ごときで怯むほどやわな教育は受けてねーぜ」

 以上。
 意味不明である。これがいい感じに美人な店主と、どう見ても少年な少女の会話なのだから、頭を抱えてしまう。さらにページをめくれば、菊一文字と名づけられた猫や、エイバリー少尉と名づけられた盲導犬や……もう本当に最高。何が最高かって全部が全部。
 内容的には、吉永家の門番となったガーゴイルが、町の動物をまとめ上げたり、泥棒を退治したり、まあ俗に言うドタバタコメディによる連作短編である。面白いのはやはりこの町内感が実によく描けていることかな。チェーンソーを振り回す少女も、青龍刀を振り回す店主もガーゴイルもケルプも、皆が皆、見事なまでにこの町の中に溶け込んでいるの。いやあ、面白かったなー。最高。