- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 文庫
- 購入: 16人 クリック: 414回
- この商品を含むブログ (660件) を見る
米澤作品を最初から追っている身としては、ちょっと想像していたのとは違うな、と。小市民を目指す彼らは、その実、小市民ではない。むしろ小市民ではないからこそ、小市民を目指すのだ。彼らは思考力と推理力に長けており、探偵となるべくして生まれたような頭を持っていながら小市民を目指す。この立ち位置は、『氷菓』『愚者のエンドロール』や『さよなら妖精』の主人公たちより進んでいると言うか、ちょっと、ずれている。より複雑に、より自覚的に作られているのだ。萌えミステリや、ライトノベルを期待して読んだ人はちょっと残念に思うかもしれないが、自分はとても面白く読めた。