『氷菓』のPVを見て、きらきらと目を輝かせている千反田えるを見て、なんだかとても、ほのぼのとした気分になりました。いきなり自分語りで恐縮ですが、米澤穂信『氷菓』を初めて読んだのは、大学の入学式のときでした。講堂で式が始まるのを待っている間、暇潰しに胸ポケットに入れた『氷菓』を入れたのですが、ちょうど式が始まる直前に読み終えて、感動のあまり泣き出しそうになったことを覚えています。いい小説でした。
- 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2001/10/28
- メディア: 文庫
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まあ、自分の話は、これくらいにしておいて、アニメの『氷菓』を観て「ちょっとミステリが読んでみたいなあ。でも、いきなりガチ本格は面倒そうだし、軽い気持ちで、軽くライトノベルミステリが読みたいなあ」というひと向けに、軽い気持ちで、ざっと6冊ほど。
桜庭一樹『GOSICK -ゴシック-』
- 作者: 桜庭 一樹,武田日向
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/03/31
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探偵にしてヒロインのヴィクトリカが異様にかわいくて困るこのシリーズですが、桜庭一樹が極めて熱心な読書家ということもあって、多様な海外ミステリの影響が見受けられます。ミステリ読みのツボを刺激しつつ、そんなことをまったく気にせず、ヴィクトリカの可愛らしさと久城のがんばりにゴロゴロすることもできる良い作品です。最終巻は号泣でしたよ*1。
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち』
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延,越島はぐ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
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『氷菓』と同じく「人が死なないミステリ」=「日常の謎」という立ち位置を確保しつつ、すべての本好きを魅了する、曰くのある古書をモチーフとしているのが良いですね。ふだんは人見知りだけれど、本の話になると途端に饒舌になる栞子さんが、とてもかわいいです。主人公が23歳ということもあって、ちょっと大人向けですかね。
高木敦史『“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人』
“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 高木 敦史,笹森トモエ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/10/30
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1作目は飛び道具で離れ業を仕掛けるというとんでもない作品で「その意欲は買いますけれど……」という感じでしたけれど、2作目は高校の映画研究部を舞台に「日常の謎」を扱ったりして、面白く読むことが出来ました。傾向としては、今回、ピックアップした作品の中では『氷菓』にいちばん近しいかもしれませんね。
野崎まど『[映]アムリタ』
- 作者: 野崎まど,森井しづき
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
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野崎まどは、この後に発表する作品でも軽妙な掛け合いを得意としていて、どれも心地良く楽しいのですが、最後にゾッと背筋が凍るのがいいんですよね。ミステリには「最後の一撃」という言葉があって、要は小説の最後の一行にすごいビックリが待っているというものなんですけれど。『氷菓』における「最後の一撃」が気に入った方は、こちらも楽しく読めるのではないかしら。
谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室』
- 作者: 谷原秋桜子,ミギー
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/08/30
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『手焼き煎餅の密室』はシリーズ4冊目ではありますが、1巻の『天使が開けた密室』より前のお話で、かつ連作短編の日常の謎といった形式で、とても読みやすいです。女の子はかわいいし、謎は凄まじくシャープなので「私、気になります!」って方には絶好の一冊ですよ。そして面白ければ5冊目の『鏡の迷宮、白い蝶』に行ってもいいし、1冊目の『天使が開けた密室』から追い始めてもOK。
鈴木大輔『空とタマ』
空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 鈴木大輔,原建人
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/07
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ストーリーの展開がとにかく天才的で、ページを繰る手が止まらないほどに面白く、富士ミスで面白い作品を5作選べと言われたら真っ先に名前を挙げます*2。惜しむべくは絶版であること。ブックオフや古本屋で見つけたら、とりあえず確保しておくと良いですよ。
そして……、
- 作者: 米澤穂信,高野音彦,清水厚
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2002/07/31
- メディア: 文庫
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- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2008/05/24
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- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/07/24
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そして『さよなら妖精』と『ボトルネック』と『犬はどこだ』も、併せてお勧めしたいです。ちなみに秋山は『ボトルネック』はグッドエンド派です*3。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
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