2005-03-31 天夢航海 天夢航海 (ソノラマ文庫 (826))作者: 谷山由紀,弘司出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1997/11メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (15件) を見る 周囲の人間と波長が合わないのは、自分がこの星の人間ではないから。自分はどこか天夢界と呼ばれる別の星から、この星にやってきた天夢界人なのだ。いつかきっと迎えの船が来るはず。異世界に望郷の思いを持つ少女たちが、『天夢界紀行』という小説に出会い、天夢界行きの船のチケットを手に入れたとき……。五つの短編と、それぞれの登場人物が集まるエピローグ的な一編からなる本書は、読書家になりたての人に向いている。筆致は幻想的でありながらも、傾倒しすぎておらず、それなりの(というか、ある種、残酷なまでの)リアリティを保持している。面白かった。