雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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928『KAIKETSU!赤頭巾侍』

KAIKETSU!赤頭巾侍

KAIKETSU!赤頭巾侍

『問題小説』に掲載された八編の連作短編。街中で殺人事件がおこり、その下手人を主人公が怪傑赤頭巾侍となって成敗するもの。しかし、次の日に殺した相手が実は下手人でなかったことが判明し、その後に主人公は「いや、やはりあいつが下手人だった」と推理する。推理と断罪が入れ替わっているという点において中々、興味深い。展開は毎回同じで鳥飼否宇『逆説探偵』に通じるものを感じる。しかし、何と言っても、軽い、軽すぎる。どう考えても地の文より会話文の方が長いし、基本的に文章ごとに改行しているし、ページの下三分の一は、切り取ればメモ帳として使えそうだ。勿論、意図的に演出された軽さだろうし、鯨統一郎に期待されているのはこの軽さなのかもしれないが、どー……よ?
 ちなみにこれは、演劇でやれば面白そう。日常があって、事件が起こり、犯人を斬って、推理して、また日常に戻る。面白そうだ。