
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 文庫
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読了から一夜明け、本書が秋山にとって重要な意味合いを持ち始めていることに気がついた。本書は単一のトリックに頼っており、人によっては容易く見抜くこともできるだろう。そして本書が描こうとしているのも、タイトルによって指し示されている概念だけで、新興宗教や幼女誘拐殺人、警察内のキャリア・ノンキャリアの確執にも、それぞれの問題点を指摘するだけで解決やその示唆は、ほとんど行っていないように読める。
数多くのミステリを読んでしまい、本書に仕掛けられたトリックを見抜けるようにならないうちに読んでしまうべきだと思うが、秋山のように本書で「驚くことの出来なかったミステリを評価できるか?」という壁に当たるのも、いいかもしれない。