日曜日はMYSDOKUでした。
今回の課題図書は十市社『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』。Kindleダイレクトパブリッシングで出したものが、東京創元社の某氏の目に止まり、刊行に至った作品です。
巷では賛否両論らしいですが……、たまには、ざっくりネタバレしようと思います。
ゴースト≠ノイズ(リダクション) 【ミステリ・フロンティア版】
- 作者: 十市社
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/01/15
- メディア: Kindle版
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叙述トリックと見せかけておいて、叙述トリックではなかったという仕掛けは、ちょっと面白いなと感じましたが「本書が叙述トリックを用いたミステリでなかったならば、一体、この小説は何なのか?」と問いかけたときに「完成度の低い青春小説」という回答しか出てきませんでした。それだと、もったいないので「叙述トリックと見せかけた叙述トリックではないミステリ」という評価もあると思うのですが、だとすれば他に雑多な要素が多くて、とっちらかってしまっているなあと思います。もったいない。
感心したのは、未必の故意です。桜庭一樹の某作品や伊坂幸太郎の某作品が、ふと思い浮かびますが言及を避けておきましょう……でも、この歪んだ悪意は、とても気持ち悪く、よくぞ書いてくれたと思います。
この読書会において得られた知見は二つ。
・新進気鋭の作家を発掘し世に問うという、ミステリ・フロンティアが十市社を掲げたのは素晴らしい仕事である。
・両親が娘に好き勝手させるのは伏線。
特に後者は、まったく気づいていなかったので思わず鳥肌が立ちました。
ざっと、こんな感じです。
なんだか久々に歯に衣着せないエントリになりました。