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1128『現代アート入門の入門』

現代アート入門の入門 (光文社新書)

現代アート入門の入門 (光文社新書)

現代アートチアリーダー」であるらしいトウキョウトラッシュの山口裕美による現代アートの解説書。
 第六章で現代アートに馴染む最もかんたんにして、有効的な方法が紹介されている。「まずは買って部屋に飾ってみる」がそれだ。著者が言うには、部屋に絵がある生活が大事であるらしい。毎日、見ているうちに飽きてしまう作品があるかもしれないし、季節によって飾り換えたくなるかもしれない。絵を日常に近づけることで、絵をより身近に感じ、新たな視点を手に入れることができ、展覧会でもひとつ違った見方が出来るらしい。
 言われてみれば、その通りだと思う。秋山はドクロが好きで、部屋に頭蓋骨の置物や掛け軸があるのだが、飾った当初は部屋が和室なので「少しこの部屋の空気に合わないかも」と思ったりもしたのだが、今ではだいぶ慣れ親しんでいるように思う。これがメロンだったら良かったのかもしれない。間違えた。これが絵だったら良かったのかもしれない。
 閑話休題。第六章と第七章、そして第九章ではアーティストを何人か取り上げ、その作品を見せると同時に解説を行っている。これが本書の中では一番、興味深く読めた。第八章では国内外の美術館を紹介しており、秋山の身近では原美術館が近いので、機会があれば訪ねたいと思った。第五章以前は現代アートを取りまく状況への批判に終始しているきらいがあるので、本書を「現代アートの入門書」として読みたい人は飛ばしてしまってもいいかもしれない。