- 作者: 山沢晴雄,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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気に入ったのは第1部。怪しげな空気を漂わせる第2部の作品群や、大仕掛けの第3部も悪くないのだが、どうやら秋山は今まで自分が思っていた以上に探偵という存在が好きなようだ。第1部は満足度が高かった。
以下、感想リンク。やはり皆さん、本格っぷりを堪能された様子。
とにかく博覧強記のマニア「のみ」に向けられた一冊かと推察されるものの、實際に収録された作品には普通でない超絶作が目白押しながら、何よりも本格の技法や技巧を愉しみたい自分のような人間にとっては正に恍惚の逸品、でありました。
http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=1243
さて、山沢作品は、密室ものも含めて、全てがアリバイトリックを中心に置いています。しかも、起きる事件そのものは非常に地味で、普通に新聞の三面記事を飾るような、市中の殺人事件ばかりです。ケレン味はまったくなく、演出がヘタ、とよく言われるようですが、そもそもそういう路線を目指していないと見るべきでしょう。
http://textsmith.at.webry.info/200706/article_33.html
表題作「離れた家」は、とにかく「美しい」の一言。
http://fanakwchdwn.hontsuna.net/article/1914627.html
とても昭和38年の作品とは思えません。
中篇『離れた家』を含む、中短編集だが、どれもが良く練られた本格作品で、緻密なアリバイトリック
http://blogs.yahoo.co.jp/iizuka3803/50666804.html
を中心に、まさに『贅肉を削ぎ落とした文章』で書かれている。
その本格魂には頭の下がる思いである。