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ゆるゆると『ヴォーパルス』を攻略してみたい、その2

 やる気カウンターが、まだ残っていたので「その2」です。やったね!
 今回は6種類のプレイスタイルについて、のんべんだらりと語ってみたいと思います。

食料プレイ

■オススメ建物
〈祝宴〉〈空中庭園〉〈城下町〉
■オススメユニット
〈農民〉〈ファンガス〉〈ワーム〉〈ベヒモス〉〈料理人〉

 まずは初心者におすすめしたい、安定感のあるスタイルです。
〈農民〉〈狩人〉〈ファンガス〉などのユニットや〈空中庭園〉で食料を生み出しながら、生み出した食料を〈祝宴〉で勝利点に変換しつつ、〈祝宴〉と〈料理人〉でお金にも変換して、さらに〈ワーム〉〈ベヒモス〉〈ゴブリン〉といったモンスターに食べさせて戦争にも勝利できるという万能感。まさに全方位死角なし! と言えるでしょう。
 このスタイルの魅力は、なんと言っても安定性の高さですね。食料を生み出してくれるユニットは3種7枚もありますし、〈空中庭園〉Lv1を建設すれば、2食料が安定供給されます。食料があれば無尽蔵に強くなる〈ワーム〉も3枚と多めですし、上位互換〈ベヒモス〉、下位互換〈ゴブリン〉もいます。また、枚数が多いということは、それだけ初期パックに入っている確率が高いことを意味しますし、両隣のプレイヤもカットしきれないことを意味します。
 キーとなる建物〈祝宴〉は基本セットなので、必ず含まれますし、〈空中庭園〉があれば、さらに安定性が向上します。
『ヴォーパルス』を何回かプレイしたけれど、なかなか勝てないという方は、まずは騙されたと思って食料プレイをお試しください。

鉱石プレイ

■オススメ建物
〈宝物庫〉〈密輸船〉〈城下町〉
■オススメユニット
〈鉱夫〉〈宝石獣〉〈冒険家〉〈奉納者〉〈ドラゴン〉

 食料プレイの安定性が高いと言っても、複数プレイヤが、このプレイスタイルを選択した場合、競合が多く発生し、かえって崩れやすくなる可能性があります。そうなったときに台頭してくるのが、鉱石プレイです。
 食料と異なり、鉱石は継続的に生み出してくれるユニットが少ないため、多人数がこのプレイスタイルを取った場合、確実に共倒れするでしょう。しかし、逆に大半が異なるプレイスタイルを選んだ場合、かつカードの巡りが良ければ、〈鉱夫〉や〈宝石獣〉といった鉱石系のカードが多く手元に舞い込み、〈宝物庫〉の持つ爆発力が炸裂するかもしれません。
 一気に多くの鉱石を獲得したいと思ったならば、狙うべきは乗っている経年カウンターの数だけ鉱石を生み出してくれる〈冒険家〉です。ただし〈冒険家〉単体では今ひとつ勢いに欠けるので、その能力を助長できる〈癒し手〉もしくは増大できる〈時計職人〉の確保が求められます。仮に、食料プレイから鉱石プレイへのスイッチを目論んでいたりして、ある程度、食料が供給できているならば、食料の数だけ〈冒険家〉に経年カウンターを乗せられたり、戦争時に鉱石の数だけ勝利点を稼げる〈奉納者〉も極めて価値が高いでしょう。
 兵力という観点では、とりあえず〈ドラゴン〉を抑えておいてタイミングを見計らって使用すると良いでしょう。尚、このプレイスタイルはお金が貯まりにくい傾向にあるので〈労働者〉や〈ケット・シー〉といったお金を生み出してくれるユニットは、中盤、大事となるかもしれません。

経年プレイ

■オススメ建物
〈聖廟〉〈供犠台〉
■オススメユニット
トーテム像〉〈時計職人〉〈腐敗の王〉〈ケット・シー〉〈画家〉〈夢読み〉〈軍師〉〈古きもの〉〈ツリーフォーク〉

 拡張の建物に〈聖廟〉と〈供犠台〉が見えていて、かつ初手のパックに〈トーテム像〉が見えたならば、もう、このロマン溢れる経年プレイへの旅路を歩みなさいという、神の啓示に違いありません。
 経年によって取り除かれることがなく、ゲーム終了時、乗った経年カウンターの数だけ勝利点を生み出す〈トーテム像〉は、このゲームにおける最強カードの1枚です。このカードと経年カウンターの数だけ勝利点を生み出してくれる〈聖廟〉の相性は抜群ですし、配置フェイズごとに経年カウンターをばらまいてくれる〈供犠台〉は、この動きを加速してくれます。もちろん、経年カウンターを増やしてくれる〈時計職人〉や〈腐敗の王〉は、どんどん投入すべきですし。
〈供犠台〉が建設された後ならば〈ケット・シー〉〈画家〉〈夢読み〉も非常に有効ですし、上手く展開できれば〈軍師〉〈古きもの〉〈ツリーフォーク〉を駆使して、戦争に勝利していくことも可能でしょう。ちなみに余力があるなら3つ目の建物は〈聖堂〉で構わないでしょう。

お金プレイ

■オススメ建物
〈密輸船〉〈聖堂〉〈後宮
■オススメユニット
〈行商〉〈労働者〉〈トロール〉〈大蛇〉

 全力でドラフトしたものの、基本に忠実なプレイヤに囲まれて、木材と食料がまったく得られなかったプレイヤに対する救済策! になるのでしょうか? お金プレイについて考えてみたいと思います。
 2鉱石と2金で建設できる〈密輸船〉には収入を勝利点に変換する能力があります。初手で〈密輸船〉Lv2の建設に成功すれば、基本で2収入あるので、第2ラウンド〜第4ラウンドの戦争フェイズ終了時に2勝利点ずつ、計6点が獲得できます。〈行商〉〈労働者〉で臨時収入を増やすことも可能ですし、〈聖堂〉〈後宮〉が建設できれば、基本収入が2ずつ増えていくことになります。
 相性の良いユニットとしては、収入は兵力に変換できる〈トロール〉が特に力を発揮するでしょう。また、経年カウンターが乗っている場合にのみ収入を生みだす〈大蛇〉も一時的とは言え、大きな効果を生み出します。〈癒し手〉によって延命が図れれば、二度、美味しいです。
 と、お金プレイの魅力ばかりについて語りましたが、実際には、他のスタイルと比較して爆発力に欠けるので、苦戦を強いられることになるのは間違いないでしょう。生み出したお金を使って、きっちりと強いユニットを配置し、戦争に勝利していく必要性があります。

バランスプレイ

■オススメ建物
〈城下町〉〈後宮〉or〈奴隷市場〉〈兵舎〉
■オススメユニット
〈ドラゴン〉〈奉納者〉〈指揮官〉〈射手〉〈軍師〉

〈開闢の巨人〉や〈材木屋〉といったユニットから木材は確保できたものの、それ以外の資源が手に入れられなかった場合、第2ラウンド以降、他のプレイスタイルにスムーズに移行できるよう、とりあえず〈城下町〉Lv2を建てておくのは、悪手ではないでしょう。
 両隣のプレイヤの動きを見てから、第2ラウンドでは〈後宮〉を建ててバランスプレイを目指すのも面白いでしょう。〈城下町〉が3種類の資源を生み出しているので、〈後宮〉Lv2を建てることができれば、第3、4ラウンドの戦争フェイズの終了時に確実に12点、獲得が可能となるからです。さらに、このスタイルのメリットとしては、食料プレイや鉱石プレイと異なり、資源を生みだすユニットを配する必要がないため、鉱石プレイ以外では落としがちな〈ドラゴン〉も有効活用できますし、居場所が微妙にないことの多い〈射手〉〈軍師〉といった後衛の攻撃系ユニットも活躍できます。もちろん、全資源を満遍なく使えるので〈奉納者〉も安定した能力を発揮します。3つ目の建物としては〈後宮〉で落ちた兵力を補うため〈兵舎〉が良いでしょう。
 初手〈城下町〉ではなく、第2ラウンド以降、Lv2の建物を安定的に建てていくという観点の元に〈奴隷市場〉も有効でしょう。その場合は〈兵舎〉を加えて、兵力を底上げし、〈指揮官〉を前衛に配し、積極的に戦争に勝っていくのもありです。その場合、隣のプレイヤが食料プレイに進もうとしていないか注意深く観察し、そのきざしがあれば〈ワーム〉〈ベヒモス〉は忘れずにカットしましょう。

木材プレイ

■オススメ建物
空中庭園〉〈城下町〉
■オススメユニット
〈開闢の巨人〉〈奉納者〉

 木材プレイなんていうスタイルは存在しません……。
 一瞬「ありかも?」と思いましたが、完全にイバラの道を歩むことになるので、慣れているプレイヤ相手に取るべき選択肢ではありません。では、初プレイの方が相手で、わざとらしくなく手を抜くために木材プレイを目指すのも、空気を読めているようで読めていません。何故なら、木材を生みだすユニットを、積極的にピックしていくことは、他のプレイヤに木材を渡さないことを意味し、結果として場全体に停滞を生み出してしまうからです。
 だがしかし、敢えて、敢えて、木材プレイを選ぶと言うのであれば、初手で〈空中庭園〉Lv2を建てて、ラウンド2の配置フェイズで〈開闢の巨人〉を出して、第3ラウンドに〈癒し手〉で〈開闢の巨人〉の延命処置を図ります。これで、なんとか木材で9点が獲得できます。逆にこれが出来なければ、やはり結論として、木材プレイなんてなかったんだ……ということでしょう。

選択と分岐について

 と、言うわけで、6種類のプレイスタイルについて、さっくりまとめてみました。
 木材プレイは、無理やり作った感が否めませんが、それ以外は、大なり小なり誰もが考えている方向性と近しいかなと思います。
 ルールブックを見ると「厳密な手番順」という選択ルールの記載がありますが、スピード感やプレイ感を考慮すると、やはり同時解決がいちばん面白いように思います。限りなくフェアに、同時解決で、このゲームに臨んだ場合、選択と分岐というキーワードが浮かび上がってくるように思います。
 つまり、自分自身がどういうスタイルを選択するかと、自分以外のプレイヤが、どういうスタイルを選択するかです。それら選択によって、ゲームは大きく分岐し、勝利への道を悠々自適に歩むことが出来るかもしれませんし、競合に阻まれ、苦しい展開に追われるかもしれません。

おわりに

 次回は建物に関係なく、ユニット同士の連携やコンボを見ていきたいですね。と、予告していましたね。予告とはいったい、ゴゴゴゴゴ。

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