少し遅目の夏休みを頂きました。8月30日から9月2日まで、3泊4日の京都旅行です。
ここ数年、旅行に対する関心度に変化が生まれてきました。以前は、どこに存在していようが、普段通りの生活をするだけ……と、ホテルや旅館に引きこもって本を読んでばかりでしたが、最近は、積極的に観光情報を収集して、歩き回っているように思います。
多分、4Squareを導入して2年半前に金沢に旅行したのが、経験として大きかったかな。
今回は、さらに、試験的に旅先で写真を撮影するという行為をしてみました。いかにも観光客然としていて恥ずかしかったのですが、いやはや、いいものですね。なによりも写真をトリガーに、後でそのときの感情や感動を再現しやすくなるのが良いです。
と言うわけで、歩き回った場所を、いくつか紹介したいと思います。
松栄堂
まずは、烏丸二条に本店を構える、300年の歴史を持つお香の老舗、松栄堂。
お香や匂い袋などを扱っているお店なのですが、今回は特別にお店の歴史やお線香の製造過程を見学させて頂きました。香房内の写真の掲載は控えますが、職人さんの手際の良い作業が見事でした。
お線香は、その形状が、いわゆる、かまぼこ型になっており、それをお蕎麦やパスタのように束ねて販売していますが(なんという喩えだ……)、形状が綺麗だと、束ねたときに菊の花のような形になるそうです。松栄堂では普段使いのお香や、特に重要な祭事の際に用いるお香まで取り扱っているということです。
先斗町
高級料亭やクラブが立ち並ぶ、すれ違うのも困難な細い花街、先斗町(ぽんとちょう)を歩きました。
鴨川沿いに三条から四条まで、ゆるやかに続いており、きれいな町並みです。だいたい祇園の新橋通りが5,000円〜10,000円に対し、先斗町は10,000円〜ということもあり、夜はお金持ちのおとうさんが多かったように感じました。
また、鴨川に面している店舗は、川に迫り出すように納涼床(ゆか)というテラス席を用意しており、夏場は特に人気が高いとのこと。果たして先斗町で、ぶらり楽しめる日が、この先やってくるのかどうか……。
四条大橋
河原町と祇園を繋ぐ大きな橋、四条大橋。アニメ版『有頂天家族』のオープニングに出るらしいですが、観ていません。
手前には納涼床が少し見えていますね。土手沿いはカップルが等間隔に座ることで有名らしいですが、この日は、小雨が降ったり止んだりで座っているカップルはいませんでした。翌日夜、四条大橋を歩いたときは、確かにカップルが大勢いて「ほんとにいる! しかも、けっこう負荷分散されてる! あ、でも、あそこの2人が統率を乱してる!」と傍迷惑なる批評を繰り広げたりしました。
安井金比羅宮
縁切りで有名な金毘羅さんです。
旦那と浮気相手との縁が切れるようにだとか、病気との縁が切れるように願うひとが訪れると聞いていましたが、絵馬を眺めてみたら「○○○○が早く死にますように」などと過激なものが多く「万が一、これを本人が見てしまったら事件が起きるな……」と慄いたりしました。
写真は展示されていた著名な故人の絵馬で、小松左京の絵馬を見つけたので撮影してみました。が、インクが薄れてしまい、なにが書かれているのか、さっぱりです。
清水寺
京都で観光客への人気が最も高い清水寺。訪ねるのは初めてです。
「清水の舞台から飛び降りる気持ちで言うけどさあ、あれ高いから、実際に飛び降りたら死ぬよね」というような話を聞いていましたので、身を乗り出したので確認しましたが、死ぬ高さではないように感じられました。
清水寺は見どころが多いうえに、至るまでにお店が多いので、非常に楽しいですね。観光ルートとして人気が高いのも納得でした。
夜の京都駅
ブレッブレですが、京都タワーの展望室にあるスカイラウンジ空から撮影した、夜の京都駅。
京都駅は建築物として非常に面白い形をしていて、お酒を飲みながら、それを見下ろすことができるのは、なかなかに楽しい体験でした。
サントリー山崎蒸溜所
2011年9月にリッチーと大阪旅行に行ったことがあります。その際、サントリー山崎蒸溜所で見学ツアーに申し込んでいたのですが、運悪く大型の台風がやってきて中止になってしまったのです。
今回、カトウさんに誘われリベンジを果たすことが出来ました!
以下テンションが上がった秋山による館内や蒸溜所内、テイスティングの写真祭りです。
伏見稲荷大社
たらふくウィスキーを試飲して、良い気分になったところで千本鳥居で有名な伏見稲荷大社へ。
と言っても、ウィスキーを堪能し過ぎてしまい、時間が遅くなったので、おもかる石を持ち上げたところで引き返してきました。伏見稲荷大社攻略戦に関しては、また次回の京都旅行を俟ちたいと思います。
大原の里
写真は翌朝に撮ったものですが、夜は大原の民宿に泊まりました。
この手の宿に泊まるのは、森川別館を会場とするMYSCONを除くと、学生時代以来です。うだる暑さの京都から逃れるように大原までやってきたわけですが、全室にエアコンが完備されており、ふつうに快適でした。名物の味噌鍋や季節の鮎焼きなども食べました。
寂光院
宿泊した旅館から、徒歩数分の距離にある寂光院。
大原の寺院と言えば三千院や額縁庭園の宝泉院が有名ですが、今回は大原バス停の西側にある寂光院だけを訪れました。2000年に放火され焼失したものの、2005年に再建されたとのことで、全体的に綺麗でした。
錦市場
中京区は先斗町や寺町通、新京極と人気のある通りが多いですが、錦市場を歩きました。
雰囲気としては金沢の近江町市場に近いでしょうか。新鮮な旬の食材を扱っているお店が、ずらりと並び、ハモの串焼きも単品売りされており、食べ歩きも出来そうな感じでした。
お昼は、この通り沿いでハモや九条ネギを食べたりしました。
八坂神社
前日は、先斗町から花見小路の祇園を抜けて清水寺へ向かいましたが、この日は、新橋通りの祇園を見てから八坂神社へ向かいました。
東方Projectにおける八坂神奈子の元ネタとなった地と思いきや、痛絵馬が、まったく見つからないので「おや……?」と思っていたら、諏訪大社の八坂刀売命が元ネタらしいですね。失礼しました……。
豆ちゃ
夜は、石塀小路でおばんざいを頂きました。
こちらは別途レポートします。
夜の祇園
夜の鴨川
納涼床に掲げられた提灯が、鴨川に反射しているのが美しいです。
土手沿いには、等間隔に並んだカップルが、うっすらと見えます。
ブリキのおもちゃと人形博物館
4日目は終日雨だったので、あまり出歩かず、主に美術館や博物館を巡り歩くことにしました。
まずは四条堀川と四条烏丸の間にある、おもちゃの博物館。15000点のコレクションの中から、月一で入れ替えながら常時3000点を展示しているとのこと。入館料は大人300円でしたが、追加で100円払えば、館内での撮影が許可され、ブログやTwitterへのアップロードもOKとのこと。少し迷いましたが、これがお酒や本やボードゲームならともかく、おもちゃとなると専門外なので、館内での撮影はしないことにしました。
京都芸術センター
烏丸四条から烏丸御池へと移動しつつ、中途にあった京都芸術センターを訪ねました。
明倫小学校の跡地を利用した建物で、特に入館料などはなく、どちらかと言うと京都を中心に活動する芸術家を応援しつつ、ギャラリーも提供しているという感じでした。
作品としては、大西康明『垂直の隙間』と松澤有子『つむぐ』だけが展示されていました。東京都現代美術館や金沢21世紀美術館に置いてありそうだなあと感じながら見たのですが、無料配布のパンフレットを見たら、製作過程や表現しているものが書かれていたので、もう一度、確認しました。一個の作品としては『つむぐ』の方が優れていますが、芸術家として注目して後を追いたいのは大西康明かなという感じです。
伊右衛門サロン京都
どれだけサントリーが好きなのか、あるいは伊右衛門が好きなのか分かりませんが、今年も伊右衛門サロンに行きました。
これだけ通っていると、さすがに慣れたもので、好きなランチを食べた後、好きなお茶を飲んだりしました。写真は撮りませんでしたが、お茶を飲んだ後は、2階の千總ギャラリーで着物の製作過程を勉強したりしました。
Book Fabulous
店内でお酒も飲める、ロックと古書のお店、ファビュラス。
子どもの頃に読んだ懐かしい江戸川乱歩や最近のミステリも、けっこう揃っていて、ロックだけのお店じゃないなという感じでした。村上春樹も多かったかな……。
京都国際マンガミュージアム
4日目のメインとして考えていた京都国際マンガミュージアムですが、ここは良かったです!
諸星大二郎の原画から始まり、竹宮惠子などの原画'展、大正時代から現代までのバレエ漫画の変遷を、代表作を取り上げつつ分かりやすく展示した企画展。「そもそもマンガとは?」という問題に対して真剣に取り組んだ常設展や、世界中の言語で書かれた漫画、そして圧巻なのは、そこらの漫画喫茶を凌駕する、館内の全壁を覆い尽くす本棚!!
気がついたら2時間半くらいが吹っ飛んでいました。
調べたところ、ここ1年で村田蓮爾展、藤田和日郎原画展、高橋葉介原画展なども開催されていた様子で、近くに住んでいたら、絶対に年間パスを買っていましたね。心から堪能したので、これからは京都に来たら絶対に寄る、マストプレイスにします。