1月22日に開催された第一回文学フリマ京都に参加すべく、久々に京都に行きました。最後に行ったのは、2015年9月だったので1年以上ぶりです。先斗町や花見小路を歩きましたが、海外からの観光客の方がとても増えているように感じました。
こういった変化を肌身で感じると、観光地におけるビジネスだとか、衰退する日本経済の行く末について思いを馳せたくなりますね。
閑話休題、旅行の前後に遊んだゲームの感想などを少々。
ローマの力
(インスト:10分、プレイ時間:55分)
植民地戦争+αさんのゲームマーケット2016秋の新作。
『プエルトリコ』や『サンファン』に見られるアクションのオープンドラフト及びフォローのメカニズムを骨子とした1人〜3人用のゲーム。蛮族を討伐し、民や奴隷で生産して、麦やオリーブを収穫し、貴族に賄賂を渡して特殊能力を獲得し、特殊能力で勝利点を獲得する。一連の流れが極めてクリアで、ユーロゲームにおける拡大再生産の面白味を残しながら、1時間以内にプレイ時間を抑えている点において、とても完成度が高いです。2人プレイ10ラウンド、3人プレイ12ラウンドというラウンド数も適切で、これ以上、長いと中だるみしてしまうし、これ以上、短いとこれからというところで終わってしまう、まとまり具合です。
1人プレイはダイス運によって選べるアクションが限られるので、違うゲームになりそうですが、3人プレイは面白さが同等かどうか検証したいですね。
ルーク&レイダーズ
(インスト:20分、プレイ時間:1時間20分)
これは面白いですね。
蓑竹屋GAMESさんのゲームマーケット2016秋の新作です。実は蓑竹屋GAMESさんのゲームは、これが初めてなのですが、とても面白くて気に入りました。元々、タワーディフェンスは好きなジャンルで、時間を忘れて没頭してしまいます。最近だと『みんなでまもって騎士 姫のトキメキらぷそでぃ』は傑作だと思います。
『ルーク&レイダーズ』ですが、全プレイヤに対して敵は同じように現れて、同じ規則に基づいて進軍してきます。それに対して、プレイヤたちは、それぞれに違う選択肢を取ったり、手番によって先に募兵できたりして、少しずつ状況が変わってくるのが面白いですね。今回、秋山は。ドラゴンやリッチといった強い敵との戦いは万全を期したかったので、待ち行列を発生させて、中盤は戦力を整えることに集中したのですが、これによって動きが遅くなってしまい、ぜんぜん間に合いませんでした。
引き算型のデザインも好みですね。このまま放置しておくと1ターン後に敵はここまで来る、2ターン後には、このユニットがやられる。だから、今のうちに布石を打つ。こういう考え方を要求するゲームは、とても好みです。
敢えて苦言を呈すならば、毎ターンの処理が煩雑なので、アプリで遊びたいということくらいですかね……。
八人の魔術師
(インスト:5分、プレイ時間:30分)
新幹線の中で遊びました。名古屋で開催されたファミリーゲームフェスティバルが初出だったので、ずいぶんプレイするまで間が空いてしまいました。
魔界の戦争を終わらせるために、忘却界から8人の魔術師を召喚するというストーリーに中二心がくすぐられますね。2人用のカードゲームで、交互にカードを出しながら数字の高い低いを見て、より多く勝った方が勝利点を獲得するという、まあまあ、よくあるタイプのデザインです。
面白いのは、全20枚の構築済みデッキを使うところだとか、10枚ドローして、そのラウンドで用いる5枚を選ぶという簡易的な構築です。適度に相手の出方を見ながらカードをプレイしていくバランス感が魅力ですね。
ワールドワイドトラベル〜世界旅行の達人〜
インスト含めて5分で終わる坊主めくり系。
ルールブックには複数回、遊んでみて合計の勝利数で競うとありましたが、プレイ感に変化はないので、1回だけ。ゲーム会の終盤「後もう1ゲーム遊べそう!」というタイミングで重宝するゲームだと感じました。
グリモワール
(インスト:5分、プレイ時間:20分)
宿にチェックインしてから遊びました、2人用のゲーム。
交互に魔法をぶっ放して、相手の動きを阻害したりしながら、自分だけ有利になるように動いていきます。お互いに魔導書を2冊集めた後は「このまま真っ直ぐに自分のゴールに向かっても相手のスピードに間に合わないので、阻害を優先するしかない」という状況が交互に来てしまい、まったくゲームが進まなくなってしまい競技終了としました。
タイルをめくったり、元に戻したりという処理も、ちょっと煩雑に過ぎますね。
ジャングリラ
(インスト:20分、プレイ時間:50分)
OKAZU brandさんのゲームマーケット2016秋の新作です。ルールブックが難解で、さっぱり分からず「さすがにOKAZUさんの作品に対し、ルールが分からなかったからやらない」はないぞ! と思って検索したら、HAL99さんの解説動画を見つけて、なんとかプレイ開始までこぎつくことができました。
ダイスを用いたハンドマネジメントと拡大再生産のゲーム……と言えるのでしょうか。今ひとつ分からず、足跡がいっぱい出たタイミングで「こんなに動ける機会もないだろうし、ゴールしちゃおうかな」とゴールしてみたら、その後、宝石がどんどん手元に転がり込んできて、ダブルスコアで勝ってしまいました。
ルールを間違っている可能性があるので、いずれ再プレイしたいですね。
ダイスロードレース
(プレイ時間:10分 x 2回)
最後は大阪のKTさんと、カフェミープルに行って、最近のKTさんのお気に入りであるという『ダイスロールレース』を遊びました。
自転車ゲームの傑作と言えば『ブレーキングアウェイ』が真っ先に思い浮かび、後は『先頭走者』なんかも好みですが、この『ダイスロールレース』もロードレースの魅力を、きれいに再現しています。
秋山は近藤史恵の『サクリファイス』で知りましたが、ロードレースにおいて向かい風の存在は非常に大きいらしいですね。どんな選手も向かい風を浴び続けて、トップを独走するなんてことはできないので、他の選手を風よけにして、体力を温存するというテクニックが存在するそうです。
『ブレーキングアウェイ』も『先頭走者』も、この考えを取り入れており、上手いこと集団の後ろに引っ付くことによって、コストを掛けずに追随することができます。この『ダイスロールレース』においても、他プレイヤと同じマスにいるときに限り、自分の手番でなくともダイスを振って前に進むことができる、Win-Winの関係を築けるのが特徴的ですね。
ただし、これはマシントラブルを再現しているのか、ダイスを振って6の目が出てしまうと、そのダイスを箱に戻さなければならないというのが、憎い仕掛けです。ライバルを引き離し、トップを独走するためにダイスを振るのか、あるいは集団に追いつくためにダイスを振るのか、もしくは待ち受けている山岳地帯に向けてダイスを温存するのか、様々な選択肢を突きつけられます。
終局的にはダイスゲームなので、たとえば5のゾロ目が連続して出れば、無難に勝ってしまいますが、実際には、そうはいきませんし、そもそも限られた状況下でないと2個や3個は振らないので「いつ振るか」を考えるのが楽しいゲームと言えます。
表裏でマップが異なるので、2回続けて遊びました。