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コミュニケーションゲーム『光より遅く』リプレイ「星と再生の物語」

 先日の「三姉妹の物語」に続き、ロールプレイングポエムまたはコミュニケーションゲーム『光より遅く』のリプレイ第2弾です。
『光より遅く』についてや、リプレイを作ろうと思ったきっかけに関しては「三姉妹の物語」の方に書きましたので、そちらをご参照ください。体裁や見せ方について、もう少し工夫を凝らせそうな気もしますが、スタイルをころころ変えると読みにくいかと思うので、前回の流れを踏襲することにします。
 では、どうぞ。

目次

・プレイヤ紹介
・世界観の説明
・しんぺー
・さい
・帰宅後にそれぞれが見た手紙
・あきやま
・お二人のコメント
・総評

プレイヤ紹介

 今回は、しんぺーさんとさいさんと秋山の3人で、ミスボド三次会のお店、HUBでお酒を飲みながら遊びました。
 しんぺーさんとは2月のミスボド三次会で初めて『光より遅く』を遊び、その後、武蔵小杉のツォルキン会でも遊んだので、一緒に遊ぶのは3度目になります。それなりに遊び方を理解いただいており、勘所も掴んでくださっている方だと思います。
 さいさんは『光より遅く』初プレイとなりますが、TRPG出身の方ですので、即興で物語を作ることには長けていると思います。
 お二人とも、事前に雲上四季で公開することをお伝えし、その前提で遊んでいただきました。

世界観の説明

 ある程度、プレイ前に世界観や大きな輪郭だけは定めておいた方が、方向性をもってプレイできるように最近は感じていたので、さいさんから「オーソドックスに宇宙を舞台にしたい」とリクエストを貰った後、秋山から世界観を提案させていただきました。
 舞台は宇宙。なんらかの理由で母星に住めなくなった3人は、宇宙船に乗り込んで、新たな母星を探す旅に出ることに。宇宙船には、見つけた星を、自分たちが住みやすいように作り変えるシステムが搭載されている設定にしました。また、1ラウンドを1年と間隔を定め、手紙の末尾にその手紙を書いた時点の年数を書くようにしました。

しんぺー

ラウンド1

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「アステロイドベルトを通過。船体に負担多し(1年目)」

受信:

さい「まだ、星は見つからない。でも、大丈夫(1年目)」

ラウンド2

送信:しんぺー>さい

しんぺー「小さい星ばかりです(2年目)」

受信:

あきやま「シップへのダメージは平気ですか? 我々のシップは本来、10年しか保たないはず。残り時間を大切に(2年目)」

ラウンド3

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「修理に成功、今ワープドライブをアップグレード中なり(3年目)」

ラウンド4

送信:しんぺー>さい

しんぺー「船体は10年しかもたない。早急に星を見つけられたし(4年目)」

受信:

さい「やっと、星が見つかった。3年振りの着陸(3年目)」

ラウンド5

送信:しんぺー>さい

しんぺー「good! 星の開発の成功を祈る(5年目)」

受信:

あきやま「異星人とコンタクトしました。彼らは、しんぺーさんの子孫を知っていました。どうやら、時空に歪みが生じているようです(4年目)」

ラウンド6

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「ワープに成功。母星によく似た星を発見!(6年目)」

ラウンド7

送信:しんぺー>さい

しんぺー「以前、住んでいた星に似ている。開発はうまくいきそうだよ(7年目)」

受信:

さい「こちらは順調です。マシンも正常に機能しています(5年目)」

ラウンド8

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「見れば見るほど母星に似ている。地形も同じだ……(8年目)」

ラウンド9

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「開発していくと古の建築物が。他の生命体が?(9年目)」

ラウンド10

送信:しんぺー>さい

しんぺー「これは……古代の建物から、我々と同じ文字が? どういうことだ?(10年目)」

受信:

さい「早くこの星で、また皆と暮らしたい(7年目)」

あきやま「久々です。こちらは"地球"とおぼしき星に着陸して、テラフォーミング中です。歴史は繰り返すのか……(8年目)」

ラウンド11

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「これは……死んだはずの我が母星の未来なのか? ワープドライブで時空を……(11年目)」

ラウンド12

送信:しんぺー>あきやま

しんぺー「星は蘇ったのだ。だが、また星を傷つけるわけにはいかない……もう一度、ワープドライブを使う!(12年目)」

受信:

あきやま「気がつきました。我々の歴史書にある、神が星に降り立ち、星を再生させたという伝説。あれは、もしかして……(9年目)」

さい

ラウンド1

送信:さい>しんぺー

さい「まだ、星は見つからない。でも、大丈夫(1年目)」

受信:

あきやま「母星から旅立って1年が経ちましたね。まだ良い星は見つかりません。そちらは?(1年目)」

ラウンド2

送信:さい>あきやま

さい「まだ、見つからない。でも、あきらめない(2年目)」

受信:

しんぺー「小さい星ばかりです(2年目)」

ラウンド3

送信:さい>しんぺー

さい「やっと、星が見つかった。3年振りの着陸(3年目)」

ラウンド4

送信:さい>あきやま

さい「星を発見、着陸も成功!(4年目)」

受信:

あきやま「『諦めたら、そこで試合終了だよ』という言葉が故事成語にありましたね。意味はよく分かりませんが……(3年目)」

ラウンド5

送信:さい>しんぺー

さい「こちらは順調です。マシンも正常に機能しています(5年目)」

受信:

しんぺー「船体は10年しかもたない。早急に星を見つけられたし(4年目)」

ラウンド6

送信:さい>あきやま

さい「もうすぐ、船から出られそう。全て、順調です(6年目)」

ラウンド7

送信:さい>しんぺー

さい「早くこの星で、また皆と暮らしたい(7年目)」

受信:

あきやま「ついに星を発見しました! 文明の痕跡がありますが、知性体はいない様子。継続して調査します……(5年目)」

しんぺー「good! 星の開発の成功を祈る(5年目)」

ラウンド8

送信:さい>あきやま

さい「良かった。これで安心。マシンにトラブルが発生してしまいました(8年目)」

ラウンド9

送信:さい>しんぺー

さい「マシンにトラブル発生。残念ながら、ここまでみたい(9年目)」

受信:

あきやま「同じタイミングで星を発見できたようですね。こちらの星は、3分の2が塩分混じりの水で、空中には酸素があります(6年目)」

ラウンド10

送信:さい>あきやま

さい「ありがとう、さようなら(10年目)」

受信:

しんぺー「以前、住んでいた星に似ている。開発はうまくいきそうだよ(7年目)」

ラウンド11

送信:さい>しんぺー

さい「ありがとう。さようなら(11年目)」

受信:

あきやま「本を発見しました。この星は、どうやら遠い昔に私たちの祖先が見捨てた"地球"である様子です(7年目)」

ラウンド12

送信:さい>あきやま

さい「皆が無事でありますように(12年目)」

帰宅後にそれぞれが見た手紙

【しんぺー】

さい「マシンにトラブル発生。残念ながら、ここまでみたい(9年目)」

あきやま「覚えていますか? しんぺーさんの子孫と会ったことのある異星人のことを。この宇宙は、大きなスケールで繰り返されているのかもしれません……(10年目)」

さい「ありがとう。さようなら(11年目)」

あきやま「私は神になったようです……(11年目、あるいは西暦元年)」

【さい】

しんぺー「これは……古代の建物から、我々と同じ文字が? どういうことだ?(10年目)」

あきやま「元気にしてますか? 3人で仲良く過ごしていた日々が懐かしいです。あの日々を取り戻すべく、がんばります!(12年目)」

あきやま

ラウンド1

秋山(さて、始まりましたね。宇宙を舞台とする『光より遅く』は久しぶりです。隕石にぶつかったり、異星人と戦争したりしながら、第二の故郷を見つけたいですね。まずは、初プレイとなるさいさんが、ゲームに入りやすいように軽くメッセージを送ることにしましょう)
送信:あきやま>さい

あきやま「母星から旅立って1年が経ちましたね。まだ良い星は見つかりません。そちらは?(1年目)」

受信:

しんぺー「アステロイドベルトを通過。船体に負担多し(1年目)」

秋山(ア、アステロ……? え?? ステロイドなら知ってるけど……)

ラウンド2

秋山(アステロイドベルトが何かは分からないけれど、とりあえず船の状況について、ひとつ設定を加えてみようかな。今回はせっかく、1ラウンド1年という制限があることだし)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「シップへのダメージは平気ですか? 我々のシップは本来、10年しか保たないはず。残り時間を大切に(2年目)」

受信:

さい「まだ、見つからない。でも、あきらめない(2年目)」

ラウンド3

秋山(うーん、良いストーリーが思い浮かばないなあ。とりあえず、さいさんからのメッセージにあった『あきらめない』から着想を得て、適当な返事を出そう)
送信:あきやま>さい

あきやま「『諦めたら、そこで試合終了だよ』という言葉が故事成語にありましたね。意味はよく分かりませんが……(3年目)」

ラウンド4

秋山(うーん、相変わらず良いストーリーが思い浮かばないけれど、少しは進展させないとな。とりあえず、宇宙物の定番、未知との遭遇っぽく、異星人とコンタクトしてみようかな)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「異星人とコンタクトしました。彼らは、しんぺーさんの子孫を知っていました。どうやら、時空に歪みが生じているようです(4年目)」

受信:

しんぺー「修理に成功、今ワープドライブをアップグレード中なり(3年目)」

秋山(しんぺーさんに「時空に歪みが生じてるっぽい」とメッセージを送ったタイミングで「ワープドライブ」というキーワードを含むメッセージが来た。ここから物語を膨らませることができそう……!)

ラウンド5

秋山(思いついた! 過去に戻るというのは面白いかも。まずは、さいさんに無事に着陸できた旨を伝えようかな)
送信:あきやま>さい

あきやま「ついに星を発見しました! 文明の痕跡がありますが、知性体はいない様子。継続して調査します……(5年目)」

受信:

さい「星を発見、着陸も成功!(4年目)」

秋山(さいさんも、ほぼ同じタイミングで着陸できたことにしたのか。ま、そりゃそうだよな。いつまでも宇宙を漂っていても話が始まらない)

ラウンド6

秋山(引き続き、さいさんにメッセージを贈ろう。遠回りに着陸した星が「地球」であることを伝えるには、どうしたらいいかな……?)
送信:あきやま>さい

あきやま「同じタイミングで星を発見できたようですね。こちらの星は、3分の2が塩分混じりの水で、空中には酸素があります(6年目)」

ラウンド7

秋山(ここは連続して、さいさんに送ることにしよう。先ほどのメッセージで地球っぽいことは伝わると思うから、次のメッセージで地球であることを確定させよう)
送信:あきやま>さい

あきやま「本を発見しました。この星は、どうやら遠い昔に私たちの祖先が見捨てた"地球"である様子です(7年目)」

秋山(2ラウンド連続でメッセージが届かないと、ちょっと切ない)

ラウンド8

秋山(さいさんへの連続メッセージは、これくらいにして、そろそろ、しんぺーさんとの物語も進めなければ。まずは、着陸済みであることと、そこが、どうやら地球であることを伝えなければ)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「久々です。こちらは"地球"とおぼしき星に着陸して、テラフォーミング中です。歴史は繰り返すのか……(8年目)」

受信:

しんぺー「ワープに成功。母星によく似た星を発見!(6年目)」

さい「もうすぐ、船から出られそう。全て、順調です(6年目)」

秋山(え! なに! しんぺーさんのワープ先が「母星によく似た星」って……? もしかして、ネタが被った!?)

ラウンド9

秋山(このメッセージが、ラウンド12の終わりまでに届く、最後のメッセージかな。リプレイにしない、本当のゲームなら、このタイミングで「最終回への引き」みたいのを仕込んで、盛り上げておきたいな)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「気がつきました。我々の歴史書にある、神が星に降り立ち、星を再生させたという伝説。あれは、もしかして……(9年目)」

ラウンド10

秋山(さて、ここから先は帰宅後に見られる手紙か。しんぺーさん向けのストーリーは、路線通りに紡げばいいけれど、さいさんへの最後の手紙はどうしようかな。もう少し情報収集したいから、最終ラウンドまで待ってみようかな)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「覚えていますか? しんぺーさんの子孫と会ったことのある異星人のことを。この宇宙は、大きなスケールで繰り返されているのかもしれません……(10年目)」

ラウンド11

秋山(さて。しんぺーさんへの最後のメッセージを送るとするか)
送信:あきやま>しんぺー

あきやま「私は神になったようです……(11年目、あるいは西暦元年)」

受信:

しんぺー「見れば見るほど母星に似ている。地形も同じだ……(8年目)」

さい「良かった。これで安心。マシンにトラブルが発生してしまいました(8年目)」

秋山(やっぱり、しんぺーさんとはネタが被ってる気がするなあ……ま、こういうこともあるか。そして、さいさんのマシントラブルは、ちょっと心配。最後の手紙はどうしようかなー)

ラウンド12

秋山(悩んだけれど、最後の手紙は振り返り系にしようかな。加えて、ちょっと意味深なメッセージもつけくわえておこう)
送信:あきやま>さい

あきやま「元気にしてますか? 3人で仲良く過ごしていた日々が懐かしいです。あの日々を取り戻すべく、がんばります!(12年目)」

秋山(「あの日々を取り戻すべく、がんばる」この言葉の真意は、秋山から、しんぺーさんへのメッセージを読まないと理解できないものだけれど、今回はリプレイとして、遊んだ後に内容を共有するから、これくらい意味深な感じで、大丈夫であろ)

お二人のコメント

■しんぺーさん

 最初はコンセプトが決まっていませんでした。宇宙クジラみたいなものと遭遇することを考えていました。ワープドライブという設定から、未来に行ってしまうというのを考えました。未来の母星に辿り着いたけれど、その星は依然として病んでいるので、再び旅立つというストーリーにしました。

■さいさん

 ロシアが犬を宇宙に旅立たせた話をイメージとして強く持ってスタートしました。3人が3人とも成功したら、話として出来すぎな感じがするので、誰かが星を見つけたら、お役御免かなと思っていました。途中で他の人たちが星を見つけた様子だったので、ここは、敢えて失敗させようと思い、死ぬことに。でも、10ラウンドだと勘違いしていたので、最後に2通分、ちょっと蛇足みたいになってしまいました。

総評

 2回目のリプレイ、いかがでしたでしょうか。
 仲良し3人組がバラバラになりながらも、しかし、それぞれに頑張ろうとする様子は、まさしく『光より遅く』の醍醐味とも言えるストーリーラインになったと思います。また、奇遇にも秋山が過去へと飛んで地球へと辿りつき、しんぺーさんが未来へと飛んで母星に帰り着いたのは、ふしぎなシンクロニシティと言えるかもしれません。
 この3人の人生は、それぞれどうなるのでしょうか。しんぺーさんや秋山の最後のメッセージが辿り着く頃には、さいさんは、もう生きていないのでしょう。さいさんの最後のメッセージを見て、あるいはしんぺーさんと秋山は、13通目の手紙、14通目の手紙を出したかもしれません。しかし、それに対する返信はありません。3人の距離は、既に離れきってしまっていて、通信できない距離だからです。
 さいさん以外の2人はどうなってしまうのでしょうか。神となり、生命を育ててゆく秋山、そして、再び流浪の旅に出たしんぺーさん。余韻のある壮大な物語だと思います。
 希望者がいれば、第3、第4のリプレイを作って公開していきたいと考えています。Twitter上でも、直接、お会いしたときでも構わないので、感想をいただければ幸いです。