だと感じました『ワンダと巨像』は。
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- 発売日: 2011/09/22
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前作『ICO』は途中で投げてしまっているのですが、今回は、なんとかクリアすることができました。
いわゆるザコ戦がなくて、ボス戦を16回ほど繰り返すことになるアクションゲームでしたが、印象としては手先の器用さを求める推理ゲームに近しかったです。巨像の肉体にしがみついて、弱点を探し、的確に攻撃を加えていく。見たことのない生き物の生態を、実地で調べていくような感じです。
ダメージを与えるという行為が、精神的にけっこう来ます。
一撃ごとに血液ではありませんが、黒い霧のようななにかが傷口から噴出します。巨像は苦しそうに叫び声をあげ、全身を振り回し、虫のようにしがみつくワンダを振り飛ばそうとします。プレイヤは握力の限り巨像にしがみつき、一瞬の間隙をついて、また攻撃を与えていきます。そして、苦しむ巨像。
筆舌に尽くしがたい罪悪感です。
巨像は、いずれも攻撃しなければ害のない存在であるように思えます。いったい、なぜ、彼らの聖域を侵し、倒していかなければならないのでしょうか。ワンダが祭壇に寝かした死んだ少女は何者なのでしょうか。ワンダはどうして彼女を蘇らせたいと思っているのでしょうか。物語の背景や価値観は説明されることなく、プレイヤは少女を蘇らせるために、ワンダを操作し、苦しみに悶える巨像に、また新たなる一撃を与えることを強要させられます。
淡々と遊ぶことはできませんでした。過去や経験といったものは抜きにして、半ば盲目的に自分自身にワンダを投影させて、理由はいったん置いておくとして、今は、なりふり構わず脇目も振らずに巨像を倒すのだ、それだけ!! と思い込まないとやっていけませんでした。だからでしょうか、最後のボスを倒したときに覚えたのは達成感ではなく、これ以上、巨像を倒さなくてもよいのだという解放感でした。
自分にとって大切なひとを失ったとき、ワンダと同じように行動することが、果たして出来るのだろうかと思います。
未クリアとなっている『ICO』にもいずれ着手予定です。宮部みゆきによる小説の『ICO』も評判が良かったように記憶しているので、こちらも積みを崩していきたいと考えています。
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- 作者: 宮部みゆき
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