雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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『大逆転裁判』は、かつて『逆転裁判』が大好きだった自分が待ち望んでいたゲームだった

 SCRAPが『大逆転裁判』とコラボしたリアル脱出ゲームを作ったので、それを遊ぶ前に、一応、コラボ作品にも触れておこう。
 そう思って『大逆転裁判』を遊んだの……です……が!
 これが!
 これが……っ!
 超のつくほど傑作だったという話をします。

大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- Best Price! - 3DS

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名作『逆転裁判』の思い出

 今、調べて知ったのですが、シリーズ第1作『逆転裁判』って、2001年の作品だったのですね。もう16年前。びっくり。
 最近では、スマートフォンアプリ化されているので、知らない方、遊んだことのない方は、無料で遊べる体験版に触れていただければと思うのですが、かんたんに説明します。
『逆転裁判』は、法廷バトルというジャンルのアドベンチャー作品で、プレイヤは、弁護士のナルホド君を操作し、無実の罪に問われている被告人を弁護し、裁判で無罪を勝ち取ることが目的のゲームです。
 タイトルから察せられる通り、冤罪から一転、無罪になる逆転無罪を取り扱っており、シリーズの、どの作品においても、


「これは、もう言い逃れは無理でしょう。素直に罪を認めた方がいいよ」


 と、プレイヤですらさじを投げてしまいそうになる圧倒的窮地から、証人を揺さぶりに揺さぶって新事実を吐き出させ、証言と矛盾する証拠品を突きつけ、見事に逆転する構図が、とにかく快感なのです。

シリーズ1作目の第2話はオールタイムベスト

 特に素晴らしいのは、シリーズ1作目の第2話です。
 質という観点においても、量という観点においても、この第2話をしのぐ作品は、後にいっぱい出てくるのですが、チュートリアル的な内容である第1話は抜きにして、絶望的状況から、見事な逆転劇を演じるは第2話は、大きな感動と共に記憶に銘記され、秋山にとってのベストであり続けています。
 なんだったかなあ……理由は忘れましたが、裁判長も検事も敵である、というシチュエーションなんですよね。
 最初は、即死だったとされる被害者も、真犯人を擁護するために「数秒間は生きていて、ダイイングメッセージを残す余裕があったと思われる」という意見が通ったりして、もう、ほんとうに絶体絶命の苦境なのです。
 そんな、どうしようもない、無罪は不可能という状況から、しかし、最後まで絶対に諦めなかったナルホド君が、最後に真実を掴み、真犯人に対して決定的な証拠を突きつけ、被告人を無罪とせざるをえないところまで持っていくところには、心底、感動しました。

とにかく盛り上げて来る

 と言うわけで、第2話がオールタイムベストであることは前述の通りですが、その他にも、良い作品はいっぱいあります。
 特に、各シリーズ作の最終話は、その作品における集大成みたいなところがあって、特に盛り上がります。積年のライバルが一時的に手を結び協力したり、間一髪の場面で証拠品が間に合ったり。
 派手な効果音、演出、音楽、とにかくすべてで盛り上げてくれるのです。涙もろい秋山は、たいていラストシーン周辺では、だらだら泣きながら遊んだものです。

シリーズ作品ゆえの難点

 そんなわけで、とてもとても楽しみに追っていたシリーズではあるのですが、3作目くらいから、さすがに陰りが見えてきました。
 いわゆる、飽き、ですね。
 毎回、様々な工夫を凝らしてくれるのですが、ナルホド君自身が有能な弁護士として成長すればするほど、そして多くの窮地を切り抜ければ切り抜けるほど、


「あのときほど辛い場面じゃないな。今回も、きっと何とかなるであろう」


 と、冷めてしまうのですよね。
 おそらく、同様の感想を持ったのは秋山だけでなく、制作陣も変化球を投げたいと考えたのではないでしょうか。主人公をナルホド君からオドロキ君に変えた『逆転裁判4』をリリースしたり、人気キャラである御剣検事を主人公にした『逆転検事』をリリースしていきましたが、


「好きだった『逆転裁判』は、もうなくなってしまった」


 と感じた秋山は、そっと離れたのでした……。

『大逆転裁判』こそ待ち望んでいたもの

 と言うわけで、『大逆転裁判』を遊んだわけですが、遊んでみて分かりました。
 これこそが、ずっと待ち望んでいたものです。
 主人公をナルホド君から、その先祖のナルホド君へと移し、舞台を、法の黎明期である明治時代としたのは英断でした。
 携帯電話はもちろん、指紋検出などの科学的要素が排されているので、より純粋な推理モノに近づいています。また、物語の展開が、初期の『逆転裁判』をなぞるようなのも嬉しいです。現代のナルホド君が成長を終えてしまった弁護士であるのに対し、明治時代のナルホド君は、まだまだ成長の余地があるので、物語的にも先が気になるんですよね。
 キャラクタも魅力的です。榎木津礼二郎を思わせるサイケデリックな存在として、シャーロック・ホームズが描かれるのですが、彼が、もうほんとうに良いキャラで、登場するだけで場面が華やかになります。

もちろん、初めての方にも

 かつての『逆転裁判』ファンはもちろん、今さら古いゲームは遊べないという新規にも勧めやすい『大逆転裁判』。ラストシーンは大きな感動があって、


「あー……、良かったなあ」


 と、深い溜息をつきながら、スタッフロールを見て、また、ちょっと涙したりしました。
 ほんとうに、良い作品でした。

終わりに

 幸いなのは、1と2とがセットになったものを買ったことですね。
 これ、2年前に新作で買った方は、すぐにでも2作目を遊びたいと思ったことでしょうね。1と2とがセットになっている版を買ったのは良い判断でした。また、すぐに彼らに会える! いやー、楽しみ!!