気がついたらiPhoneに移植されていたので遊んでみました『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』そしてクリアしました。
ネタバレは適宜、白黒反転させつつ「ここが面白かったよ」という観点で、少し語ってみたいと思います。遊んでみようか悩んでいるひとは参考にしたり、既に遊んだひとは「あー、ここがいいよねー」という感じで読んでください。ちなみにゲームの序盤に相当する第一章に関しては、ざっくりネタバレありとしています。第1章はiPhoneで無料で遊べるので、気になる方は遊んでから戻ってくることを推奨します。
それから、そもそも『ダンガンロンパ』が、どういうゲームであるかも割愛しますね。公式サイトのストーリー紹介および、Wikipediaの登場人物紹介までは、読んでしまっても大丈夫だと思います。スクリーンショットも悩みましたが、なしで行きます。
では、前置きが長くなりましたが、はじまりはじまり。
良かったところ、その1「逆転感とスピード感」
『ダンガンロンパ』は学園における日常生活があって、しばらく遊んでいると事件が発生して、証拠を探す捜査を経て、学級裁判で真犯人を追求するというのが一連の流れとなるゲームですが、とにかく学級裁判のシーンが良い! ですね。
特に第1章は、開始時点で疑われているのが主人公である上、充分な捜査を事前に行えていないという、逆境からスタートするのが、とても盛り上がります。また、主人公が、特に能力を持っていないと言うのも面白いですね。平凡な主人公が窮地に陥っていて、プレイヤが必死に考えて、生徒たち発言を、ひとつひとつ論破していかないと、すぐにでもクロとして処刑されてしまいそう。
そういう緊迫感に満ちた前半から、ある証拠が出てきて、それを鍵に、一気に形勢が逆転するスピード感。そのジェットコースターっぽい感じも、極めて爽快でした。
ミステリゲームと言えば、既存作品に『逆転裁判』という名作がありますが、あれも裁判中に次から次へと証拠が出てきて、それらを集めることで、今まで見えていなかった事件の様相が、一気に開けるという快感があります。『ダンガンロンパ』にある、学級裁判中の逆転感と、凄まじい勢いで謎が解決していくスピード感は、ある意味で『逆転裁判』を越えているなあとも感じました。
良かったところ、その2「良い意味での悪趣味」
2.5次元と称される3次元空間に立つ2次元のペラい登場人物、声優・大山のぶ代によるモノクマの力演、おしおきという名の元に繰り広げられる残虐な処刑。
正直、第1章を始めた当初は、全編を覆う、あんまりにもあんまりな悪趣味さに吐き気を覚えていました。元より無意味な残酷さは好むところではありません。罪のない少年少女たちが、いきなりバトロワ的空間に放り込まれ、互いに互いを殺し合わないと(しかも理性的に!)この環境から脱出できないというゲーム感は、受け入れられるものではありません。しかも、なんだか登場人物は、過剰にキャラクタライズされているし……。
ですが、プレイ前およびプレイ開始当初に覚えていた上記欠点は、いつしか自分の中で良いところに転化していました。
その理由を一言で現すと適度な現実感でしょうか。
感情移入し始めると、この過酷な環境は、苛烈で劇薬のような空間ですが、入り込もうとする度に、ふっと突き放されるのです。ピンク色で描かれる血しぶきも、その要因のひとつかもしれません。悪趣味であること、非現実的であることが、プレイヤに、ゲームに対して適度な距離感を与えるように思うのですよね。
残酷表現が苦手なひとも、第1章を通過できれば、後はユルいのでご安心あれ。
悪かったところ、その1「落ちる」
これはiPhone版特有の動きなのかもしれませんが、ある程度、ゲームを続けているとオートセーブが入るタイミングで負荷が高まるのか、いきなり落ちるのが厄介でした。
4S環境ですが、キャッシュを解放して、メモリを『ダンガンロンパ』だけに使っていても、遊び続けていると落ちます。カウントしていたわけではないですが、トータルで4回か5回ほど落ちたように思います。
悪かったところ、その2「細部が面倒」
学園内を移動したり、モノモノマシーンでプレゼントを集めたり、仲間との友好度を高めたり。
正直、ここらへんは面倒で仕方なかったですね。インターフェイスも、ゲームの展開も、すべてがスピーディなのに、ここは、やけに時間を奪われているように感じました。
良かったところ、その3「人間賛歌」
ネタバレ入りまーす。
『ダンガンロンパ』というゲームを通して、最もテンションが上がり、思わず泣きそうになったのは、最後の議論の場面でしょう。超高校級の絶望・江ノ島盾子によって絶望が広がってゆく中、苗木誠くんの持っている希望を、皆に分け与えていくシーンは最高でした。
正直、最初は何をやっていいのか分かりませんでした。まずは、議論をひと通り見ようと思ったら、ライフが削られて「え、何処を論破すればいいの!?」と困惑に焦りが加わります。なにも出来ないまま2周した上、間違った言弾を使いライフが残り1回になった直後「あっ、もしかして!!」と閃き、希望を装填し、葉隠くんにぶつけて成功したときの感動! その後、ひとりずつ希望を与えていって、最後に霧切さんだけ残ったところで音楽が変わるという演出も最高でした。
ゲームの最終シーン、扉が開かれたところで終わってしまい、外の世界がどうなっているのか分からないのは不完全燃焼ですが、仮に滅びていたとしても、もはや彼らであれば、その胸に抱いた希望で、世界を再建することが出来るように思えます。
いついかなる瞬間であろうと、希望を胸に抱き、絶望に屈しなければ、絶対に負けることがない。まさしく人間賛歌をテーマとした作品でした。
おわりに
と言うわけで、結論。iPhoneを持ってるひとは、無料で遊べる第1章をやってみて、面白かったら冬休みにでも最終章まで遊んでみたらいいんじゃないかな(持ってないひとはPSP版を!)。
ちなみにシリーズの流れとしては『ダンガンロンパ』を遊んでから、星海社から出ている小説の『ダンガンロンパ/ゼロ』を読んで、それから『スーパーダンガンロンパ2』を遊ぶのが良いらしいです。
秋山は、これから小説に着手します。
おわりに、その2
小説に着手する前に、好奇心を捨てきれず『スーパーダンガンロンパ2』の公式サイトの、キャラ紹介だけ見てしまいました。「どことなく1作目のキャラと名前やデザインの似ているのや、声優が同じひとがいるなー」と思っていたら十神白夜のページで、脳がフリーズしました。えっ? えっ?
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best
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