最近は時間を掛けて小説を読むのが好きです、秋山です。
表題の通り、加納朋子のデビュー作にして、駒子シリーズの第1作『ななつのこ』を再読しましたが、どこまでも優しく、やわらかな作風で、しっとりとした気分になりました。
- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: Kindle版
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冒頭にも書きましたが、もう、ほんとうに優しくて、ほんとうにやわらかいんですよね。
13年前は、ちょうど20歳になった頃で、語り手の駒子19歳とは一歳差。けっこう同年代感を覚えながら読んだかもしれません。それが、もう13年も経てば、一回りも下の女子大生ですよ。ただ、だからと言って安易に「なにを考えているか分からん」とはならなくて、駒子自身がおっとりとした性格と言うか、わりと穏やかで、のほほんとしているところがあるので、30歳を過ぎた今でも、一定の親近感を覚えられるのがすごいですね。
改めて加納朋子の著作を、Wikipediaで確認しましたけれど、いずれの作品にも、この優しさは通奏低音として広がっているように思いますね。
心の底から安心して読める、良い作品でした。
しかし、それにしても、ほんとうに時間を掛けて読んでしまいました。
乙一の『夏と花火と私の死体』を読み終えてから、ずっと持ち歩いていたはずなんですが、ざっと1ヶ月半くらいですかね。学生の頃は、1日1冊とかのペースで読んでいたはずが。すっかり変わってしまいました。