アニメ版の『Fate/Apocrypha』をようやく観終えました、全25話。
ちなみに原作小説は未読。
そこそこに期待して観始めたのですが、結局、今ひとつだったかなあと感じ、どうしてそう思ったのかを振り返ったとき、群像劇ではなかったからではないか、という結論に至った話をします。
尚、ネタバレ全開であります。

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キャラが多い
まず、と言うか、なんと言うか、とにかくキャラが多いですよね。
Wikipediaを見て知ったのですが、元々は『三国志大戦』のように様々な英霊が活躍するオンラインゲームが、発端となっている様子です。ゲーム企画自体は頓挫したものの、そのときの構想を、小説の形にしたのが『Fate/Apocrypha』だそうです。
キャラが多いのは、そのせいでしょう。
聖杯戦争──ではなく、聖杯大戦。
と言うことで、7サーヴァント対7サーヴァント。つまり、サーヴァントだけで14名もいます。さらに、それぞれのサーヴァントごとにマスターが1人いるので、マスター14名を合わせると、計28名です。
この時点で、すでに多いです。多すぎます。
これに加えて、聖杯大戦の審判を務めるルーラーだとか、聖堂教会から派遣された監督役だとか、時計塔の面々までぞろぞろいるので、実質35名くらいでしょうか。もう、まったく手に負えません。
彼らひとりひとりに、長ったらしい名前の他に、通称や俗称まであったりするので、体感的には、理解しきれない量の情報が、怒涛のごとく押し寄せてきます。
多いキャラを活かせていない
とは言え、キャラが多いことは、別段、悪いことではありません。
キャラの魅力は、作品の魅力でもあるので、上手く使いこなすことができれば、多くのファンを魅了する作品になっていたことでしょう。
そう、問題はここですね。
使いこなせていない。
特に前半から中盤に掛けて。
ジークフリート、スパルタクス、フランケンシュタイン、ヴラド3世、アヴィケブロン、ジャック・ザ・リッパーと、マスターともどもサーヴァントが脱落していくのは圧巻でした。
各サーヴァント、一応、死に様は用意されていて、1話~2話くらい見せ場がありますが、なんか、見せ場さえ用意すれば退場させていい、みたいな姿勢も感じられて、こんなふうに退場させるのであれば、そもそも入場させなければ良かったのでは? と思ったりもします。
キャラが多いだけの王道だった
結局のところ『Fate/Apocrypha』が、どういう物語だったかを見ると、ジークが主人公でジャンヌがヒロインで天草四郎時貞が敵、そういう話なんですよね。
そして、この核となるシーンを描くだけならば、14人もサーヴァントはいらなかったわけで、もっとスリムに出来ていましたし、もっとスリムにすることで、彼らの物語を際立たせることだってできたはずです。
ちょっと、もったいなく感じます。
こんな群像劇が観たかった
さて!
ここからは、恒例の(!)こんな『Fate/Apocrypha』が観たかった……! です。
やっぱりですね、キャラクタが多い作品と言えば、それらを無駄なく、余すところなく活用する群像劇がいちばんでしょう。誰もが主人公で、誰もが主役。
とは言え、さすがに人数が多いので、ある程度、まとめた方が良いでしょうね。
分けるとすればユグドミレニアグループ、シロウ・コトミネグループ、ジャック・ザ・リッパーグループ、獅子劫界離&モードレッドグループでしょうか。これらのグループごとに主要登場人物をまとめて、それぞれに物語を進めておいて、最後の最後に天草四郎時貞の陰謀が明かされ、グループごとにバラバラの物語だと思えていたものが、実は、すべて一本の線で繋がることが判明し、一気にクライマックスに向かっていく……!
みたいな展開だったら、激アツだったことでしょう。
終盤の直接対決は良かった
と言うわけで、物語の根幹と言いますか、進め方それ自体については、おおきく異論があるわけですが、終盤の主要サーヴァント同士の対決は、さすがアクションに定評のあるFateアニメだけあって白熱しました。
具体的には、アキレウス対ケイローン。師弟対決とも言うべき因縁のふたりが、武器を放り投げてステゴロするのは最高でしたね。特に、ずっと冷静沈着だったアキレウスが、パンクラチオンを使い始めるのは胸熱ですよね。
ケイローンの宝具「天蠍一射」で踵を撃ち抜かれてから、アタランテを救済するために駆け付けるアキレウスは、マジで英雄でした。アキレウスのアタランテの攻撃を受けつつ浮かべた、あの慈愛に満ちた微笑……! 鳥肌が立ちました。
バトル表現敵には、ジーク対カルナが良かったですね。さすがインドの大英雄。英霊としての格は、14騎のサーヴァントの中でもトップクラスだったのではないでしょうか。ジークフリートのちからを借りたジークと、アキレウスのちからを借りたアストルフォが2人がかりで初めて倒せたあたり、その強大さが窺いしれます。
最後はモードレッド対セミラミス。実は、観始めた当初は、獅子劫界離が主人公で、その相棒たるモードレッドが、この作品の顔となるサーヴァントだと思ったんですよね。最高のタッグだった、この2人が死力を尽くして、セミラミスを討つシーンが、全体を通していちばん好きかもしれません。
終わりに
そんなわけで、『Fate/Apocrypha』全25話でした。
元々、観ようと思ったキッカケは、FGOでApocryphaコラボが始まるから、でしたが実際に観終えたのは、イベント終了してずいぶんと経ってからになってしまいました。
いろいろと書きましたが、最後まで観ることができて良かったです。どこかでジークとジャンヌ、幸せに暮らせられればいいですね。

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