雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

個人戦形式のオンライン謎解き『闇オークションからの脱出』の感想

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 ゆうげんさんのオンライン謎解き『闇オークションからの脱出』を遊びました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

ゲームの概要

 手元に謎解きキットを用意して、Web配信される動画を見ながら60分以内に脱出を目指す、ホール型リアル謎解きゲームのオンライン版です
 謎解きキットはBOOTHで通販することが可能ですが、物理版の他にダウンロード版も用意されており、ダウンロード版の場合はPDFを自分でダウンロードして、自宅のプリンタやコンビニのプリンタで印刷してから臨むことになります。
 形式は個人戦形式となり、ソロでも十分に楽しめる難易度設定になっています
 謎解きキットを購入したひと同士であれば協力もOKですので、SCRAPで言うところの夜の遊園地シリーズと近しいと言えるかもしれません。
 このイベントに気づいたときは、もう物理版は完売してため、ダウンロード版を購入し、自分で印刷しましたが、まったく不都合なく、快適にプレイできました

ゲームの感想

 プレイに至るまでの障壁が極めて低く、快適にプレイできる上に、リアル謎解きゲームとしての勘所はすべて押さえられており、楽しく遊べます
 ひらたく言って最高ではないでしょうか
 事前に3人以上を集めて申し込まないといけない形式は、どうしても調整を面倒に感じてしまい、未だ挑戦できていないので、こういうソロ凸歓迎形式は優しくて良いですね。


 謎の作り方も非常に丁寧に感じました
 いえ、あるいは丁寧過ぎるかもしれません。
 ゆうげんさんの謎解きは、ナゾガクの『駄菓子屋ゆうげん』、謎制作で協力されていらっしゃる『ラブレター大捜査線』、そして持ち帰り謎の『おかしなてがみ』と『Mysterious Dungeon』しか体験していませんが、いずれにおいても丁寧であることを、深く記憶しています。
 あるいは、綺麗な謎、と言い換えてもいいかもしれません。


 たとえばSCRAPのリアル脱出ゲームをして、よく言われる表現に「机の上に、使っていない情報が残っていたら、まだ全ての謎を解き明かしていないことを意味する」というのがあります。
 また、タカラッシュの謎で紙を折り曲げる必要があるとき、いざ折り曲げようと思った瞬間に、うっすらと点線が入っていて、自分の行動が正しいことを知ると同時に、点線を目印にすればいいので折り曲げやすさを感じます。
 ゆうげんさんの謎にも同様の綺麗さがあります。


 今回、制限時間60分の公演でしたが、たしか45分くらいで脱出成功しました。
 メタ解きした……と言うわけではないのですが、その美しさを逆手に取ったような気はします。ネタバレを避ける表現をすると、作り手の目線でしょうか。この美しい謎解きを、完璧に仕上げるためには、ここに謎を仕掛けるしかない。という観点で、そこに謎があることを前提に進めてしまったような感じです。
 でも、とても良かったなと感じました
 謎解きの王道であると感じました
 しっかりとした哲学の元に構築されているという安定感があり、てらいなくオススメできる安心感があるなと感じました。
 と言うわけで、オススメです。

【7月14日追記】解説について

 書き忘れていましたが、非常にポイントが高いので追記させてください。
 公演終了後の解説についてです。
 一般的なリアル謎解きゲームの公演の場合、ゲーム終了後の解説は、随所が割愛されることが多いです。
 たとえば、


「封筒を開けた皆さんは、様々な謎を解き明かし、解答用紙を埋めました。すると『ライオン探せ』という指示文が出てきました。そして会場内を見回すと、受付にライオンがあり~」


 と、小謎を解いた結果、導き出された指示文は教えてくれますが、その文字を生み出す元となった小謎の解説は、割愛されてしまいます。
 リアル公演の場合は、全体の時間やテンポ等もあるので仕方がないと割り切っていますが、実際には、同卓したメンバーが解いたため、触れられなかったけれど煌めく素晴らしい小謎もあったわけで、同じお金を出しているのに、それらに触れられないのは残念……と思わなくもないです。
 今回の『闇オークションからの脱出』において、小謎の解説まで、すべて丁寧に行われたことは、ひとつの驚きでした
 中には見た瞬間に分かるものもあるのですが、そういうものも懇切丁寧に解説されていて、丁寧さと好感を覚えました。実際、Twitterを見ていると「ゲーム中は勘で解けたので、解説があって良かった」という声もあり、良いな! と改めて思った次第です。
 こういう、ひとつひとつの積み重ねによって作品の完成度を上げられていて、だから誰かにオススメしたくなります

終わりに

 月末に予定されている『機械が支配する軍事基地からの脱出』も申し込み済みなので、開催が楽しみです。
 オンライン公演の第2弾も、是非、再演いただきたいですね。