雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

キャラねっと 愛$探偵の事件簿

キャラねっと―愛$探偵の事件簿

キャラねっと―愛$探偵の事件簿

 セイ暦2001年、現代に類似した架空の世界では『キャラねっと』と呼ばれる「オンライン学園R.P.G.」が学生たちの間で流行っていた。13歳から19歳までのみをユーザと認めるこのゲームは「@スクール」と呼ばれる仮想の学園を舞台とし、キャラ同士の交流やイベントを通し、卒業までに成人度100パーセントを迎えることが目標となっている。主人公の池丸大王は、この“バトルで負けても倒れるだけ”というゲームの中、何者かによって殺されてしまう。池丸大王2としてゲーム内に復帰した彼は、自分を殺した真犯人を求めて調査を開始する。
 ライトノベル文芸誌『ザ・スニーカー』にて連載された短編「みすてりあるキャラねっと」「めいきゃっぴキャラねっと」「であいまちょキャラねっと」の三篇に、書き下ろし掌編を加えた短編集。「みすてりあるキャラねっと」は2002年11月に角川スニーカー文庫より発売され、その頃は横書きに加え、作中におけるゲーム画面を模したイラストや画像がふんだんに使われた意欲作となっていたが、本書は二段構成のノベルスでイラストの類も少なめ。紙質やデザイン、装丁は格好いいのだが、作者があの清涼院流水であることに加え、元々ライトノベル文芸誌で連載されたものだったことを考慮すれば、初めての人にはあまりお勧めできない。(2004年03月・角川書店