雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

とくまでやる

とくまでやる (徳間デュアル文庫)

とくまでやる (徳間デュアル文庫)

 え、いいじゃん。
 はっきり言って、本書を読む気にはなれなかった。同時期に刊行され、本書よりも評価されていた『秘密屋文庫』を今一つ楽しむことが出来なかったし、その前の『キャラねっと』も酷かったし。この『とくまでやる』に手を出すには勇気を要した。きっかけは第三回文学フリマだろう。徳間デュアル文庫のブースで、長髪の「え、清涼院流水?」と一瞬、勘違いしてしまうような売り子に「サイン本なんですよ」と「いや。幾らなんでもサイン……と言うか、彩印しすぎだろう清涼院流水」な本を見せられ、つい買ってしまったのだけれど、読み始めるが長かった。ちなみに彩印ナンバー3476で大吉です。大吉以外を求め、積んであった本のすべてを確かめたのは秘密屋さんしか知らないことです。
 内容に関しては面白かった、ええ、とても。時間があったので一気に読みきってしまったのだが、二ページごとに区切られているので電車の中や休み時間に読むのも適しているだろう。最初のうちは主人公がコロコロ変わるので読みづらかったのだが、そのうち誰かがピックアップされていることは、あまり意味がないことに気付き、すんなりと読み込むことが出来た。それに勿論、イラストに手伝われてはいるだろうが、嫌味のない、等身大のキャラが描けているような気がして、面白く読めた。特に最後の方なんて最高じゃん。清涼院流水作品を漫画化されたものまで含めて読んでいる人には、思わず「キター」と叫びたくなるような展開だし、弓道は最高だし、エンディングもイラストが映えてきれいだったし、いやあ、良かったなあ。秋山肯定。
 後、タイトルに関して。主人公の名前が出有特馬(である・とくま)だから『とくまでやる』。解くまでやるから『とくまでやる』。徳間(デュアル文庫)でやる(=書く)から『とくまでやる』。徳間デュアル(文庫)だから『とくまでやる』。後ろのふたつは不覚にも気付かなかったので、なるほど面白いと思った。メフィスト翔よりは、いいだろう。
 もう一点。2005年3月に刊行が予定されている本書の続編のタイトル当てクイズというのがある。2004年12月31日までにdual@shoten.tokuma.com宛に続編のタイトルを予想して送ると、正解者に「豪華な謎のプレゼント」が、惜しい人&面白かった人に「スペシャル彩印(サイン)本」が贈られるそうです。是非どうぞ。