雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

712

ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク

 前振り長すぎ、中弛みしすぎ、エピローグ長すぎ。結局、作者は何を言いたかったのだろうか。
 id:seiitiさんが絶賛していたので、いつか読まねばならぬまいと思いつつ原稿用紙950枚という分量に手が出せず、ついに読んでみたのだが全く面白くなかった。中盤まで主人公だけでなく、他の登場人物にもかなりの分量を割いて語っているので、物語の軸というが骨子となるものが中々、見えてこなかった。主人公とその恋の行方が見えてきたかと思うと、即座に収束してしまい、エピローグに入ってしまう。その間も、主人公もその恋人も、その他の登場人物も全員が等価に描かれているから、個々の印象が非常に薄い。あるいはこの小説に主人公なる人物は存在せず、かつて同じ小学校で幼少時代を過ごした全員が主人公ということなのだろうか。どちらにせよ非常に退屈だった。
 また、作中に度々、作者が顔を覗かせるのも気に障った。フェミニズムに関する言説を展開させたければ作中の登場人物に口を開かせるか、エッセイを書くべきである。言いたいことは分かるが、地の分に独り言を書いてしまうなんてやってはいけないことの最たるものだ。酷すぎ。