雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

 主人公は十二歳、今日から中学生。読み始めてストレートに思ったのは若いということ。初心忘るべからずという言葉を引くまでもなく、自ら天然の若さを持っていると思っているこの秋山をして、思わず「若ッ」と叫んでしまった。少女にはこうも世間が見えておらず、こうも小さな出来事に心を衝き動かされてしまうのだろうか。驚愕した。まあ、主人公の山野内荒野は少なからず特異な環境において育っているので、全ての少女がこうであるとは限らないし、むしろある面において特化しているというのは分かるけれど。それでも若い。そして、そんな若い主人公が恋をしてしまうのだ。このドキドキは少女の薄い(でも大きいらしい)胸を易々と引き裂いてしまうのではないだろうか。読んでいる方までドキドキしてしまった。ドキドキ。