雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

2012年第2四半期オススメ5冊

 遅くなりましたが、4月から6月に掛けて読んだ本のうち、面白かった5冊を紹介しようと思います。
 ほんとうはオススメ10冊の予定でしたが、そもそも読んだ本の絶対数が少なく、10冊にしてしまうと、分子と分母の数が漸近するので5冊にします。
 例の如く、読んだのがこの時期である。と言うわけで、既刊も含みます。ご注意あれ。

西尾維新悲鳴伝

悲鳴伝 (講談社ノベルス)

悲鳴伝 (講談社ノベルス)

 疾走感の強い、純度100%のエンターテイメントでした。久々に「新青春エンタ」という惹句を思い出しました。
「大いなる悲鳴」という謎の災害によって人類の3分の1が死滅した近未来を舞台に、地球撲滅軍にスカウトされた空々空の奇妙な冒険を描いたもの。随所に、仮面ライダーや戦隊物の要素を西尾維新らしく改変したものが見受けられ、それ系が好きなひとはニヤリと出来ることうけおい。読んでいる最中は、東北関東大震災や自然破壊、英雄や正義、悪や人類について色々と考えさせられながらも、次から次へと予想の斜め上にふっ飛ばされる展開に、ページを繰る手が止まりませんでした。
「これは最高に最低に傑作だぁな……!」
 と、予感させつつ、原稿用紙1000枚を駆け抜けるように読み……うん、読了後の感想は、ある意味、ネタバレになるような気がするので伏せておきましょう。激烈に面白かったのは間違いないです。

桜庭一樹『荒野』

荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)

荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)

荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)

荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)

 ファミ通文庫から『荒野の恋』というタイトルで第一部と第二部が刊行された後、文春で全三部作をまとめたものが刊行されました。昨年、三分冊された文庫版を、今さらになって読みました。
 女を惹きつける魔性を持った小説家を父に持つ少女・荒野が中学校に入学し、恋を知り、成長する様子を描いた成長小説にして青春小説にして少女小説です。蜉蝣のような父や、成長する自身の肉体、新しい母や妹、初恋などが、荒野の朴訥な口調で語られます。これといって、ものすごいアクションがあるわけではないですが、等身大の日常そして変化が、丁寧に扱われていました。良い小説でした。

森博嗣『もえない』

もえない  Incombustibles (角川文庫)

もえない Incombustibles (角川文庫)

 自殺した少年を火葬したら、主人公の名前が刻まれた金属製の栞が出てきた。
 そんな出だしから始まる物語は、全編は極めてフラットに綴られていて、森博嗣の著作の中でも特に起伏がなく、静寂……と言うか、静謐に満ちていました。最終的には、そのストイックとも言える平淡さの理由も明かされるのですが、上質の、詩的な小説でした。森作品の中では、比較的、評価が低いようですが、秋山は好きですよ。

村山斉『宇宙は本当にひとつなのか』

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

 2011年7月時点で分かっている宇宙についての諸々を、分かりやすくまとめた1冊でした。
 前半では、今までの調査で分かっていることを、例を挟みながら系統立てて説明して、後半では、今、調べている最中のことや、どうしても分かりそうにないことを、仮説を紹介すつ説明していました。どちらかと言うと、やはり前半の方が面白かったですね。銀河や暗黒物質あたりのところは、けっこう面白かったです。
 反対に後半は難しかったですね。特に多次元に話が及んでからは、五次元空間を想像することも出来ずに困惑しました。ここらへん、もう少し勉強して理解できるようになりたいですね。

森野たくみ『ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜』

ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜 (新紀元文庫)

ヴァンパイア 吸血鬼伝説の系譜 (新紀元文庫)

 吸血鬼研究の本が新紀元文庫に落ちたので読んでみました。ハードカバー版は、その昔、ちょっと立ち読みした記憶がありますが、じっくり読むのは初めてです。
 読み終えて思ったのは、自分が好きな吸血鬼は、いわゆる物語における高貴で、優雅で、怠惰で、儚い存在としての吸血鬼だなあ、と。自分が望んでいるものではありませんでしたが、基本を抑えておくのも重要だと思うので、良い本を読めたと思います。この1冊を底本として、色々な小説や漫画における吸血鬼を取り扱った本を読んでいきたいなあと思ったり。誰か、吸血鬼が出てくるライトノベルをまとめてくれないかしら*1

好きなライトノベルを投票しよう!! 2012年上期

 せっかくなので、いちせさん主催の好きラノに投票してみます。
……と思いましたが、対象期間内で読んだライトノベルは2冊だけでした。まあ、どっちも面白かったら投票コードを置いておこう。

人生 (ガガガ文庫)

人生 (ガガガ文庫)

六花の勇者〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【12上期ラノベ投票/9784094513189】
【12上期ラノベ投票/9784086306713】

おわりに

 と言うわけで、5冊でした。
 次のクォーターも面白い本に出会えますように。そして、皆さまも、どうぞ良い四季を。

*1:今、思いついたので適当に言ってみる。