雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

第42回ラ管連ボードゲーム部レポート

 長時間ゲームの回ということで、普段はプレイが控えられるような2〜3時間ほど要するゲームを思う存分に楽しもうという日でした。土屋つかささんがいらっしゃるとのことで、必死に『それがるうるの支配魔術』を読んでから参加しました*1

それがるうるの支配魔術Game1:ルールズ・ルール (角川スニーカー文庫)

それがるうるの支配魔術Game1:ルールズ・ルール (角川スニーカー文庫)

大聖堂


サンファンはやったことがあるけれど、プエルトリコはやったことがない」と同じくらい「大聖堂カードゲームはやったことがあるけれど、大聖堂はやったことがない」と言われることのある、あの『大聖堂』です。ちなみにカードの方はやったことがありません。ゐんどさんインストで、INNさんと3人でプレイ。
 1ラウンドがゲーム内で10年に相当し、全6ラウンド=60年間で大聖堂を完成させ、その間に、どれだけ大聖堂建設に貢献したかを競うゲーム。
 1ラウンドはカード獲得フェイズと、建築家配置フェイズに分かれています。まずカード獲得フェイズでは、手番順に、ラウンド毎に登場する「石工」や「木こり」といった職人を購入したり、12人の労働者コマをボード上に投じて、木材・石・砂といった建築資材を獲得することができます。建築家配置フェイズでは、布袋から建築家コマを取り出して、自分の色の建築家コマが抜かれたら、コストを支払いながら、ボード上の好きなマスに置くことができます。ボード上には10マスほどコマを置くことのできるスペースがあり、特殊な能力を持っている人物を獲得できたり、国王に謁見することで納税を免れたり、市場で売買の権利を得たりできます。
 一度、理解すれば、後はすんなり出来るのですが、最初の敷居がちょっと高いかもしれませんね。職人カードの裏には数字が書かれており、カード獲得フェイズで購入できる職人は、後の時代ほど優秀である様子でした*2。なので、正攻法で攻めるよりも、第1から第4ラウンドくらいまでは体制を整えておいて、第5ラウンド及び最終ラウンドで爆発させた方がいいのかな……と、考えながら、ふと、ゐんどさんの手許を見たら、最初の内は価値のない金属を集めています。「おや?」と思いながら、ルールブックを見てみると、後の方の時代に、金属職人が現れることが分かり、なるほどそれを狙っているのかと理解。しかし、だからと言って同じ作戦を取って競合してもいけないので、とりあえず「お金は大事そう」という直感に従い、そこそこに得点を獲得しつつ、持ち金を一定以上にキープする作戦で行ってみました*3
 終盤、金細工師が出たときに「これだ!」と確信しました。お金を得点に変換することのできる職人なのです。周囲を見れば、INNさんは石工を揃え、石を得点に変換する体制を整えており、ゐんどさんはステンドグラス職人*4を雇い、砂と金属で高得点を生み出す体制を整えていました。よし、競合しない! いける! と確信して、金細工師を雇い、今までコンスタントに得点を生み続けてくれた、いるだけで1勝利点を得られる錬金術師を解雇しました*5
 この金満プレイが大成功し、猛スピードで追い上げてきたゐんどさんの追随を許さずに首位をキープして、勝利。楽しかったです。次回は5人プレイをやってみたいですね。

7Wonders


 時間が余ったので『7Wonders』。
 ドラフト式にカードをプレイしていって得点を稼ぐゲームです。今ひとつカードの巡りが悪く、40点に届かず4位。しかし、1位の方も49点くらいだったので、今回は全員、振るわなかった様子です。
 写真は撮り忘れたので、片付けている最中のものです。

オートモービル


 土屋つかささん持参の『コンテナ』も興味があったのですが、『オートモービル』は先日、うさみさん宅でプレイして以来、夢に見るほど再プレイしたかったのです。澤村さん、INNさん、じねんさんと4人でプレイ。
 プレイヤは自動車会社の経営者となり、フォードやハワード、クライスラーといった著名人の力を借りつつ、研究開発を進め自動車工場を建設して、自動車を生産してセールスマンに売らせたり、自動車が売れ残ってしまったり、セールスマンが仕事をサボれば、損失として利益が減ったりします。
 前回は損失マーカーを受け取るのが怖くて、工場を建ててはすぐに潰し、また新しい自動車を研究開発して、最新モデルの自動車を生産しては、それをちまちま売っていくというスタイルだったのですが、利益をあげるには車を売るしかないので、今回は、最初から「ここを終の棲家とする」という覚悟で、どんなに損失を生み出すようになっても工場を閉鎖しない覚悟で、とにかく量産して、どんどん売るスタイルを試してみました。
……が、これは、駄目です。駄目でした。大衆車を14台作ったら、完璧にじねんさんと競合してしまい、大量に売れ残り損失を生み出し、工場は自動車を量産すると同時に損失をも量産し、最終ターンの頭には損失マーカーが15もありました。これはマイナ600ドルに相当します。これを引き受けるわけにはいかないので、工場を2箇所閉鎖して、気合で減らすハメになり、もう軸ブレもいいとこでした。
 最終的には借金も重く、3310ドルで終了。首位の澤村さんは、まさかの5480ドルでした。このゲーム、5000ドルを越えられるのか……。
 もう一回、リベンジしたいけれど「もしかしたら:苦手」かもしれません、このゲーム。

バラ戦争


 ランカスター家とヨーク家の戦争をボードゲームとしたもの。ご覧の通り、特大のボードを使用するもので、遊びごたえに満ちていました。
 ゲームはカード獲得フェイズと作戦フェイズに分かれており、ドローフェイズでは毎ターン開示される8枚のカードを手番順に獲得していき、作戦フェイズでは、写真手前のように、自分のボード上にチップを配置し、作戦を決めます*6。実行可能な作戦は、支配している貴族や船長を、他の土地に移動させたり、他のプレイヤの支配下にある司教・貴族・船長を買収したり、逆に自分の配下にある司教・貴族・船長にお金を与えて囲っておいたり、他のプレイヤが支配している城下町や港町を襲撃したり、逆に自分の街に兵士を派遣しておきます。全員が作戦を決定したら同時に敷居を取り外し、順々に解決していきます。買収や戦争を解決した後は、各地域ごとの支配力を確認し、最も有力なプレイヤと2位のプレイヤに得点が与えられ、さらにランカスター家とヨーク家の支配力を確認し、より勢力を広げている方の派閥に所属しているプレイヤには、追加の5点が与えられます。計5ラウンドプレイし、最も活躍したプレイヤの頭上に勝利の冠が輝きます。
 いやあ、非常に楽しかったです。今回は、ゐんどさんとりゅーかさんがランカスター家、秋山とINNさんがヨーク家だったのですが、ゲーム中は、他のプレイヤと相談してはいけないので、お互いに相手が考えていることを推し量りながら、互いに利益を得られるように動いていたと思います。第1ラウンドは上手いこと動けてヨーク家が優勢だったのですが、りゅーかさんがフランスからの援助を受けて一躍する形で、リードしていたゐんどさんと共に勢力を広げ、第2ラウンド、第3ラウンドではランカスター家が優勢でした。
 りゅーかさん、INNさんに引き続き、秋山も第3ラウンドくらいにフランスからの援助を受け*7、積極的に攻撃を仕掛けていきました。大事なことなので2回言いますが、このゲームではお金が非常に重要です。お金が非常に重要で、お金を持っているプレイヤが勝利すると言っても過言ではないほどに重要です。確かに支配力が高く、買収されにくい/防御力が高い貴族や城下町は、大事な得点源です。支配力の高いカードを多数持っていないと、ゲームに勝利することはできません。しかし、いくら貴族や城下町を所有していたとしても、お金がなければ他のプレイヤの配下を買収したり、襲撃を掛けたりすることができないのです*8
 この仕組には、INNさんも途中で気づいたらしく、ふたりして、徹底的に、りゅーかさんとゐんどさんの配下から「お金を生み出す」カードに対して買収や攻撃を掛け、奪っていきました。2金しか生み出さない港町にすら、容赦なく兵士を送り込んでいきました。
 こうして迎えた最終ラウンド、この時点での順位はINNさん、秋山、りゅーかさん、ゐんどさん。ターンの頭で得られる収入は、りゅーかさんとゐんどさんが20金以下であるのに対し、INNさんは50金くらい、秋山は70金くらいでした。ここまで来たら、もうランカスター家は敵ではありません。40年間、INNさんとは同じヨーク家として協力しあってきましたが、袂を分かつ日が来ました。作戦フェイズに入ると同時に、秋山は有り金を叩いて、INNさんの配下にある司教・貴族・船長に買収コマを置き、さらにINNさんの所有する街には、護衛兵がいることを意識し、兵士を多めに送り込みました。さらに、INNさんとの点差をなくし、逆転するためには自分の支配している街が奪われてもいけないので、各都市に護衛兵を配置し、攻守を固めました。
「せーの!」で敷居を外した瞬間、INNさんのボードを見ると、凄まじい防御網が完成されているのを目の当たりにしました。考えてみれば当然です。INNさんは先行しているので、別段、他のプレイヤに攻めこまなくとも、自陣を守ってさえいれば定常的な得点が勝手に入ってくるのです。秋山の買収はすべて失敗に終わり、都市への攻撃も、一部成功し、一部失敗しました。順位は第4ラウンドから変わらず、INNさんが首位をキープして勝利しました。
 片付けている最中に、ゐんどさんから「秋山さんは、もう1ターン早く、INNさんを攻撃し始めるべきでしたね」と言われ、確かにと思った次第。なんとなく仲間意識を強く持ち過ぎてしまい、相方を攻めるのは最後という気分になっていましたが、第4ラウンド終了のタイミングでINNさんは戦略を完成させていたので、攻めるのならば第4ラウンドからでした。
 インストを含めると2時間半の大戦争でしたが、激しい読み合いを交わすことが出来、かなり充実したプレイ感でした。露骨に他プレイヤを攻撃しないといけないゲームなので、それなりに仲の良いひととしかプレイできませんが、機会があれば、またプレイしたいですね。

おわりに

『7Wonders』はおまけみたいなものなので、除外すると、11時から7時までの8時間でプレイしたのは3作。どれも2時間越えの重量級でしたが、その分、達成感があり、非常に充実していました。
 しかし、1プレイ2時間も要することを考えると、どのゲームをプレイするか悩みますね。『大聖堂』と『バラ戦争』は前々からプレイしたい未プレイの作品だったので躊躇はありませんでしたが『オートモービル』は、惨敗を喫しましたし、ちょっと後悔。『コンテナ』も面白そうでしたし、ワレスの『ビザンチウム』も面白そうでした。『ル・アーブル』も再挑戦したかったですし、『電力会社』の日本マップも興味ありましたし、未だにプレイする機会に恵まれない『アグリコラ』もやってみたかったです。でも……『オートモービル』が……やりたかったのです……ッッ!
 少し前までは、より多くのゲームをプレイしたいと思っていましたが、最近は、作品を絞って、何度もプレイして、深く楽しみたい気分です。特に、ワーカープレイスメントと呼ばれるゲームを、もっと深く理解したいですね。『ファクトリーマネージャー』と『51番目の州』とか、今、振り返ってみると傑作でした。ああ、でも『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』も、もっと上手くなりたいです。そのために、一度『サンファン』を復習したくもあります。

おわりにのあとで

 ちなみに、この日は22時から夜勤で、翌日の昼過ぎまで働きました。翌朝、9時くらいが最もハードでした。

*1:プレイ結果をリッパーさんが書かれてます、id:kirisakineko:20110503。毎回、書いてもらいたいですのう。

*2:最初から持っている石工よりも、後の時代で購入できる石工の方が、より少ない石材を、多くの得点に変換可能。

*3:具体的には、砂や建築家で得点を稼ぎつつ、石を市場で売ってお金にする。

*4:だったかしら?

*5:職人カードは5枚までしか場に出せないのです。

*6:自分のボードは共有ボードの縮図になっています。

*7:ゲーム中、1回だけお金が得られるボーナスで、最下位救済のための仕組みです。

*8:買収はもちろんお金が掛かりますし、戦争には兵士を雇うお金が必要なので。