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ゆるゆると『ヴォーパルス』を攻略してみたい、その1

ドミニオンマニアックス』の影響を受けて、ボードゲームの攻略記事を書いてみたくなったので、先日、拡張がリリースされたばかりの『ヴォーパルス』を取り上げてみたいと思います。
 あまり肩肘の張った攻略記事は書けないので、ゆるゆると、しかも「攻略してみたい」という消極的な感じでひとつ。
 ちなみに本記事は拡張の「Vestige」と「Vicious」を前提としています。

ヴォーパルスについて

 そもそも『ヴォーパルス』とはなんぞや? から軽く始めましょう。
『ヴォーパルス』というのはI was gameが2011年にリリースした、ドラフトと経年というメカニズムを核として持つ同人ボードゲームです。
 プレイヤはある島において覇を唱えようとする領主となり、全4ラウンドを通して勝利点を稼ぐことになります。ラウンドごとにプレイヤは、戦争に参加したり資源を生み出してくれるユニットを領地に配置したり、生産した資源を用いて建物を建てることができます。1ラウンドが終了すると、ゲーム内で25年間が経過したことになり、ユニットは歳をとったり、あるいは年老いたユニットは死亡します。これを計4回繰り返し、ゲーム内時間で100年間が過ぎ去ったタイミングで勝利点を比較し、もっとも勝利点を獲得したプレイヤが勝利します。
 細かいルールは公式をご覧ください。

ドラフトについて

『7Wonders』や『妖精奇譚』、最近ですと『すしドラ!』といった作品で用いられているメカニズムです。詳細はWikipedeiaをご覧ください。

1.ブースターパック1つを各々開け、その中から1枚を選び自分のカードとする
2.1枚抜いたブースターを隣(又は対戦相手)に渡す。
3.渡された(開封済みの)ブースターパックから1枚選び自分のカードとする
4.1枚抜いたブースターをまた隣(又は対戦相手)に渡す。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88

経年について

 自分の場に配置したユニットカードが、一定ラウンドを減ると捨て札になるという『ヴォーパルス』独自のメカニズムです。
 一部を除き、大半のユニットは2ラウンドで捨て札となるため、ゲーム中のどのタイミングで配置するかも重要な意味を持ちます。

注意すべきルールについて

『ヴォーパルス』の紹介は、これくらいにしておいて攻略に入りましょう。
 まずは勝利点を獲得するうえで、忘れてはならない注意すべきルールをおさらいします。

・配置フェイズでのカード獲得方法はドラフトである。
・5体目のユニットを配置するにはレベル2の建物が必要である。
・兵力が同値であれば、双方が勝利したことになる。
・2つ目以降の建物を作るには追加のコスト(2金、4金、6金)が必要である。
・パックの引き直しが可能な選択ルール「マリガン」。

ドラフトによる手札獲得について

 配置フェイズにおいて配置可能なユニットは、毎ラウンドの配置フェイズにおいて、ドラフトでカードを選びます。第1ラウンドと第3ラウンドにおいては時計回りに、第2ラウンドと第4ラウンドにおいては反時計回りに行います。
 カット、という言葉があります。下家、つまりパックを渡すプレイヤが欲しがるであろうカードを、自分の手札としてピックしてしまい、渡さないことです。他のプレイヤの点数を抑えるという観点においてカットは有効な手段ですが、あまりカットし過ぎると自分のプレイが疎かになってしまうのが注意点です。

5体目のユニットについて

 5体目のユニットを配置するのには、レベル2の建物の建設が前提となります。従って第1ラウンドでは、どうあがいても4体しかユニットを配置できませんが、第2ラウンドには5体目を配置することが可能になります。
 他のプレイヤに先駆けて5体目のユニットを配置することには大きな意味があります。第1ラウンドにおいてレベル2の建物を建てるのに必要な資源を集められるかどうかは、その後のゲームに大きな影響を及ぼします。

双方勝利について

 兵力の数が同値であれば、それは勝利という扱いになります。
 上家の兵力を予測するのは難しいですが、下家の兵力を予測することは、ドラフト中のカードを覚えていれば、ある程度まで可能になります。圧勝するのはユニットの無駄遣いなので、最低でも同値になるよう調整するのは大事な一工夫です。

追加コストについて

 生産フェイズは、ゲームを通して、計4回、発生します。イコール建設できる建物も4枚が上限です。レベル2の建物を4つ建てて、勝利点3点×4枚=12点を獲得しようと思うならば、2金+4金+6金=12金の追加コストが必要になることを留意しましょう。

選択ルール「マリガン」について

 第2版が追加された、選択制のルールです。
 第1ラウンドの配置フェイズのパックを配られた直後に、マリガンを行うことを宣言すれば、5枚のパックを、すべて捨てて、新たな5枚のパックを貰うことができます(代償:勝利点1点)。
 熟練のプレイヤ同士で遊ぶ場合、第1ラウンドでは最悪、1枚も資源を生みだすカードが回ってこないことがありうるので、マリガンを行うかどうかはメンバーを見て考えましょう。

基本方針「第1ラウンドの配置フェイズ」について

 ゲームの序盤は、戦争は二の次で、基本的には、いかにして内政を充実させるかがポイントになります
 具体的には、第1ラウンドの生産フェイズにおいてレベル2の建物が建てられるかどうか。あるいは、建てられなかったとしても、どういったプレイスタイルを選択するかは決め、そのスタイルに則ったユニットを集めるくらいはしたいところです。
 レベル2の建物を最速で建てるうえで、有利に働いてくれるカードを紹介しましょう。

・〈ゴーレム〉2枚
・〈材木屋〉2枚
・〈森の子供たち〉2枚
・〈開闢の巨人〉1枚
・〈大建築家〉1枚

 特に強力なのは〈大建築家〉ですね。お金をあらゆる資材に変換させることが出来るので、お金さえ積めば、どんな建物でも建てることが可能になります。〈大建築家〉と異なり、お金を木材にしか変換できませんが〈材木屋〉も充分に強いカードでしょう。
 3木材を生み出してくれる〈開闢の巨人〉も強力です。多くのレベル2の建物は2木材を必要とするので〈開闢の巨人〉がいれば、自由度が、ぐんと広がります。
 他に抑えておきたいのは、第2ラウンドで確実に配置フェイズにおいて建物をレベル2にしてくれる〈ゴーレム〉と、2種類の資源を生み出してくれる〈森の子供たち〉でしょうか。
 上記にて紹介したカードは、見つけたら全力で抑えるべきカードですが、もちろん、1つの資源を無難に生み出すカードも確保するに越したことはありません。

・木材:〈木こり〉〈行商〉
・鉱石:〈鉱夫〉〈冒険家〉〈宝石獣〉
・食料:〈農民〉〈狩人〉〈ファンガス〉

基本方針「第1ラウンドの生産フェイズ」について

 初手で建てるべき建物について考えましょう。
 方針としては大きく2つあるかと思います。それは今後の多様な展開を見据えて、手を広く持つか、それともプレイスタイルを決め打ってしまい、一直線に突き進んでいくかです。もちろん、実際には生産できている資源によって、強制的に決まってしまう場合がほとんどでしょうが……。

・木材プレイ:〈空中庭園〉〈城下町〉
・鉱石プレイ:〈宝物庫〉〈城下町〉〈密輸船〉
・食料プレイ:〈祝宴〉〈空中庭園〉〈城下町〉
・お金プレイ:〈密輸船〉〈聖堂〉〈後宮
・経年プレイ:〈聖廟〉〈供犠台〉
バランスプレイ:〈城下町〉〈後宮〉〈奴隷市場〉〈兵舎〉

 だいたい、プレイスタイルと獲得すべき建物は上記の通り落ち着くと思います。
 各プレイスタイルについては長くなるので「その2」で説明することにさせてください。と言うわけで、この項では結論だけを述べるということで。

最終得点について

 基本セットだけでプレイしていたときは、だいたい40点が1位か2位以下の分水嶺でしたので、最終的に40点獲得することをターゲットにカードをプレイしていました。これが、拡張「Vicious」を入れたら、勝利点を得る方法が増えたこともあり、50点くらいが閾値になったかなという印象です。
 重要なので、繰り返すと、基本セットなら40点、拡張入りなら50点を目指しましょう
 勝利点を獲得する手段は、下記の4種類です。

・戦争:最大24点
・建物:最大12点
・建物の特殊効果
・ユニットの特殊効果

 仮定として戦争に8割ほど勝てたとして18点、建物を3つ建てられたとして8点。ここまでで26点です。
 基本の場なら、どうにかして残り14点、拡張入りなら24点を積み立てる必要があります。
 勝利点を生み出してくれるユニットは、そんなに多くありません。〈画家〉〈指揮官〉〈夢読み〉〈トーテム像〉〈古きもの〉〈奉納者〉の6種9枚だけですし、勝利点を生み出すのに条件があったりして、それを満たすのが大変です。
 なので、ユニットで勝利点を生むのは、あくまで補佐、予備くらいに考えておいて、基本的には建物の特殊効果で稼ぐことを考えましょう。ここでプレイスタイルが大事になるわけですね。

おわりに

 と、言うわけで「その1」は、これにておしまい。
 今回は基本編ということで「その2」は実際にプレイスタイルを取り上げて、各プレイスタイルにおいての戦い方を考えていきましょう。そして、余力があれば「その3」で建物に関係なく、ユニット同士の連携やコンボを見ていきたいですね。んでは。

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