雲上四季

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「ナショナルエコノミー・メセナ」を遊びました

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 スパ帝国さんのゲームマーケット2017春の新作『ナショナルエコノミー・メセナ』を遊びました。
『ナショナルエコノミー・メセナ』は『ナショナルエコノミー』の独立した続編です。根底のルールは同じですが、すべてのカードを一新して、まったく異なるプレイ感を提供しています。
 上手い例が見当たりませんが、たとえば、そうですね『カルカソンヌ』に対する『カルカソンヌ2』みたいな感じでしょうか。引いたタイルを盤面に置いて、ミープルを使って得点化するという大枠の仕組み自体は一緒だけれど、タイルの効果が異なるので別のゲームになっている、みたいな。
 あるいは『ドミニオン』と、基本セットと混ぜられない『ドミニオン:陰謀』と言ってもいいかもしれません。


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 さて『メセナ』ですが、前作より面白いと感じました。
『ナショナルエコノミー』はワーカープレイスメントであり、拡大再生産であり、『サンファン』もしくは『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』だったので、まあ、面白いものと面白いものを掛け算すれば面白くなるのは当たり前と言うか、問題はプレイ感まで既存の作品を引きずってしまっているところだと感じていました。
 一言にまとめると「掘り」ですね。
 勝利の鍵となる極めて強力な一枚のカードがあり、いかにそのカードを掘り当てるか、が主眼になってしまっていると感じました。


 この課題を『メセナ』では、ドローの手段を極端に減らすことで大胆に解決していました。
 と言うか、ほんとうにびっくりしましたよ。
 ふつうのカードをドロー出来ないだけで、相対的に消費財カードの価値が向上するのです。
 ゲーム序盤は一次産業で力を蓄え、中盤から終盤に掛けて、いかに二次産業、三次産業にシフトしていけるかが攻略のポイントとなります。
 ゲームを通じて表現したいテーマと、実際のプレイ感と言うか、やらなければならないことが完璧にリンクしているという点において、デザインの美しさを感じました。
 単に、俺強い的な拡大再生産とは異なる、時代の変遷を感じられる良い拡大再生産ですね。


 後、印象の話で恐縮ですが『メセナ』は『ナショナルエコノミー』より、賃金に追われにくいと感じました。
 前作はワーカーを雇えば雇うほど、資金繰りに苦心しましたが、『メセナ』は、そこまで苦しくはなかったので、まだ呼吸がしやすかったです。
 ゲーム的な難点としては、地味であることでしょうか。ドローが少ないので、派手な展開になりにくいのですよね。ただ、ゲームとしての完成度は『メセナ』の方が高く感じます。初めてこのシリーズに触れたいという方には、『メセナ』の方を、より推します。

ナショナルエコノミー・メセナ

ナショナルエコノミー・メセナ