雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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再羅刹する月曜日

 日々に緊張感がほしくて、絶えず自分の命を付けねらうような暗殺者がいてほしいです。そんなことを友人に言ったら、彼の友人も以前に同じようなことを言っていたらしく、それに対し彼は「それは君、ずっと自分のことを見ていてくれる人がほしいんじゃないのかね」と答えたらしいです。「瑶も自分のことを見ていてくれる人を望んでいるんじゃないの」と彼は続けましたが、秋山はただ笑いました。自分のことを見ていてくれる人……彼の口調ではまるで、秋山が暗殺者ではなく恋人を求めているようでした。「暗殺者の悪意と恋人の好意、それはまるで逆のものだよ。自分が求めているのは、悪意の方だ」「悪意も好意も同じものだよ」、彼の返答に秋山はまた笑いました。彼は中々に鋭く、秋山の思考を様々に刺激してくれるのです。「じゃあ、敵意や殺意でもいい。相手を絶対的に否定する殺意なら、好意の対極にあるだろう」「どんな感情も受けとる人次第だよ。ストーカーも犬みたいに従順についてくる女の子も、やっていることは同じだけど見方を変えるだけで全然違うだろう」「自分の思考はいつだって客観的で相対的で公平だ、視点によって変わるなんてことはない」「そう思っているのは、瑶だけだよ」ここで秋山はまた笑うしかありません。「まあ、いいじゃない。恋人を欲しがるのは人間として普通だよ」。彼と別れてから気付きました。秋山が欲しいのは恋人ではなく、やはり暗殺者なのだと。何故って、恋人は秋山を殺してはくれませんが、暗殺者は秋山を殺してくれるからです。simple but not easy