この脱力っぷりが堪らない、傑作。
週刊アスキーに連載されたものなのだろうか、編集部はよく許したなと思うぐらい、浅暮三文の世間的にはあまり認められないであろう魅力が十二分に注がれている。「とにかく肩の凝らない小説を目指しました」と作者が言っているとおり、スクリーンで読んだのに全く肩が凝らなかった。途中、やや中弛みしたかなと思わないでもなかったが、最後の最後まで一気に読むことができたし、落ちもなかなか、いやあよくやるぜ、いや! よくあってくれたグレさん!! とでも言うか。
しかし、あれだよなあ。本書は誉めては駄目だ。誉めないことが誉めることに通じるような気がする。意味不明だ。