雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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とある魔術の禁書目録3

 まるで合理的でない。書きながら展開を考えているのか、どこまでも行き当たりばったりで登場人物の誰もに一貫性がなく、なんで戦っているのか理解に苦しむ場面が多々あった。しかし、そういう部分には目を向けないことにする。
 このシリーズの優れている点は、登場人物が無闇に増えないことではないかと思う。確かに西尾維新戯言シリーズのように、一つ前の巻でピックアップされた登場人物が淘汰され、次の巻では顔を出す程度にしか現われなかったりするのだが、鎌池和馬の場合、一つの巻で新規に登場する人物が五人に満たないのだ。新規のキャラが増えないわりに、以前のキャラがあまり登場しないので、結果として主人公と敵とサブヒロイン、もう殆どこの三組だけで話が進行するのだ。これは構図として非常に明快で、読んでいて分かりやすい。ここらへん、ひょっとしたらライトノベルの新しいかたちなのではないだろうか。少し前、ライトノベルは文体が読みづらいとか読みづらくないとかネットで話題になったが、そんなものよりもこういった、いかに少ないキャラで切り回すかがライトノベルの魅力にしてメリットになっている点に注目するべきだろう。
 最後に。あとがきの最後の一文が、傑作でした。徹頭徹尾、どうでもいい記録更新だな(誉め言葉。