
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/28
- メディア: 単行本
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ところで西澤保彦は動機や結末に黒い男女の仲を持ってくることが多く、そのため滅入ること頻りなのだけれど本書に関して言えばそれはなかったように思う。後書きで「できればポール・ギャリコのように、リリカルで切ない、ロマンティックな冒険物語にしたい――、と思ったのですが、メインとなる設定を拝借しただけで、あとはなんというのか、「いつもの西澤保彦」(って、何だそれ)になってしまったような気もします。」とあるけれど、これはきっと謙遜です。全然「いつもの西澤保彦」っぽくないし、しっかりリリカルしてたと思います。結末なんてちょっとほろ苦い感じですし、自分はいいと思います。でもストーリィ全体として見ると何だか今ひとつ、と。